・電磁誘導とは
・レンツの法則とは
・発電機の仕組み
コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすると電流が流れる、ということを聞いたことはありますか?
電磁誘導という言葉はあまり聞きなれていないと思いますが、私たちが今使っている電気は電磁誘導によってつくられています。
電磁誘導とは一体何か、発電はどのような仕組みなのかについて、わかりやすく簡単に解説をしていきます。
電磁誘導とは
コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすると電流が流れること
コイルの中を貫く磁力線の数が変化するとき、変化を打ち消すように電流が流れる(レンツの法則)
電磁誘導とは、コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすると電流が流れることです。
詳しいことは物理の方で勉強する内容になっているため、物理基礎では軽く触れて終わりです。
もう少しだけ詳しく説明すると、コイルの中を貫く磁力線の数が変化すると、コイルに電圧(誘導起電力)が生じ、電流(誘導電流)が流れます。
磁石を近づけたり遠ざけたりすることで、コイルの中を貫く磁力線の数(要は、磁場の強さ)が変化するため、電流が流れるということです。
近づけるときと遠ざけるときは逆方向に電流が流れ、N極とS極を入れ替えた場合も逆方向に電流が流れます。
どの方向に電流が流れるかについては、レンツの法則を用いて覚えるのが簡単です。
レンツの法則とは、コイルの中を貫く磁力線の数が変化するとき、変化を打ち消すように電流が流れるという法則です。
上図のように、磁場が増えようとすると磁場を減らす向きに、磁場が減ろうとすると磁場を増やす向きに電流が流れます。
もちろん、電流が流れたときに磁場ができる方向は右ネジの法則を考えます。
増えようとすると減らしたい、減ろうとすると増やしたいという特徴を持っているので、ツンデレンツの法則と私は覚えているのですが、あまり浸透しません。
レンツの法則は物理の方の電磁誘導でも重要な考え方であるため、今のうちに理解しておくと後が楽です。
発電機の仕組み
発電機は電磁誘導を利用しています。
磁場の中にコイルを入れ、コイルを何かしらの力で回転させます。
コイルが回転することにより、コイルの中を貫く磁力線の数が増えたり減ったりするため、電磁誘導により電流が流れます。
モーターと発電機の違いは、モーターは「電流を流す→コイルが回転する」でしたが、発電機は「コイルを回転させる→電流が流れる」という点です。
例題
下図のように磁石を動かしたとき、コイルに流れる誘導電流の向きはアとイのどちらか。
まとめ
コイルに磁石を近づけたり遠ざけたりすると電流が流れます。
誘導電流の流れる向きは「レンツの法則」を使って求めましょう。
磁場が増えるのを防ぐ、磁場が減るのを防ぐように電流が流れます。
電磁誘導を使うことで、私たちは電気を作り出し、利用しています。