・スカラーとは
・ベクトルとは
・スカラーとベクトルの違い
物理を本格的に学ぶ前に、スカラーとベクトルの違いを知っておきましょう。
数学Bでスカラーとベクトルについて勉強するので、知っている人も多いと思います。
今回は、スカラーとベクトルの違いについて、わかりやすく簡単に解説していきます。
スカラーとは
大きさのみの量。
質量、温度、速さ、仕事、エネルギー、電荷などのこと。
スカラーとは大きさのみの量のことです。
質量、温度、速さ、仕事、エネルギー、電荷などが、物理でよく登場するスカラーです。
大きさのみの量、と言われても分かりにくいので、まずはベクトルの説明を見ていきましょう。
ベクトルとは
大きさと向きをもつ量。
変位、速度、加速度、力、運動量、電場などのこと。
ベクトルとは大きさと向きをもつ量のことをいいます。
変位、速度、加速度、力、運動量、電場などが、物理でよく出てくるベクトルです。
ベクトルには向きがあるため、数値をそのまま足し引きしてはいけません。
上図のように、足すときは平行四辺形、引くときは後から前の矢印の先をつなぎ合わせるように線を描きます。
ベクトルの向きは図の矢印の向きであり、ベクトルの大きさは矢印の長さとなっています。
足し算や引き算の結果の大きさを知りたい場合は、矢印の長さを三平方の定理やsin, cosを使って求めることになるでしょう。
スカラーとベクトルの違い
スカラーとベクトルの違いは「向きがあるかないか」です。
例えば、速さはスカラー、速度はベクトルです。
右向きを正とするとき、速さ10m/sと言われても、速さはスカラーなので、どちら向きなのかは分かりません。
しかし、速度が10m/sである場合、速度がプラスの値であるということは、右向きに動いていることが分かります。
もし、速度が-10m/sの場合は、速度がマイナスであるため、左向きということですね。
このように、ベクトルである変位、速度、加速度、力、運動量、電場には、向きと大きさの両方があります。
しかし、スカラーである質量、温度、速さ、仕事、エネルギー、電荷には向きはないのです。
右向きに5℃、上向きに10kg、はあり得ないのです。
まとめ
ベクトルとスカラーの違いは「向きがあるかないか」です。
スカラーは、温度などの大きさだけをもつ量のこと。
ベクトルは、力などの大きさ+向きのある量のことをいいます。
スカラーは大きさだけなので、そのまま足し合わせることができますが、ベクトルは向きも関係してくるため、ベクトルの合成を考えなければいけません。
ベクトルとスカラーという考えは、物理においてよく登場する内容であるため、少しずつでもいいので慣れていきましょう。