・音とは
・音速の公式
・音の3要素
物理基礎の波の後半は音について勉強します。
音とは何なのか、音速について、うなりについて、楽器はどうして音が鳴るのか(固有振動・共振・共鳴)という内容です。
今回は、そもそも音とは何なのか、音速の公式、音の3要素について、わかりやすく簡単に解説をしていきます。
音とは
空気などが疎密波として伝わること
音波とは空気の振動が伝わる波の一種のことです。
空気が媒質なので、真空中では音は伝わりません。また、音波は疎密波(縦波)であるという特徴を持っています。
音速とは
音の速さのこと
空気の温度か高ければ高いほど速くなる
$$V=331.5+0.6t$$
(t:セルシウス温度[℃])
音の速さのことを音速といいます。
音速は温度が高ければ高いほど速くなり、\(V=331.5+0.6t\)という式で表されます。
この式は導き出せるものではないので、覚えておくしかありません。
15℃のときの音速は、
$$V=331.5+0.6t\\
V=331.5+0.6×15\\
V=340.5m/s$$
であり、温度のことを気にしないときは、単純に音速を340m/sとします。
音速は、温度だけではなく、気体の種類や湿度によっても影響するのですが、高校物理では、乾いた空気中での音速しか考えません。
なお、水中や固体中の音速は、空気中の音速よりも速くなりますが、高校物理ではあまり扱いません。
音の3要素とは
私たちが音の違いを認識する3つの要素
大きさ・高さ・音色のこと
音の3要素とは、私たちが音の違いを認識する3つの要素のことであり、音の大きさ・音の高さ・音色のことをいいます。
音波の振幅の大きさを、私たちは音の大きさとして認識します。
単純に、振幅が大きければ大きいほど、大きな音として感じます。
細かい話をすると耳の構造の話になってしまうのですが、音波は空気の圧力の疎密波であるため、振幅の大きさは空気の圧力変化の大きさに影響します(音圧という言葉もありますよね)。
私たちの耳は、空気の圧力変化を刺激として受け取ることができます。
振動数の高さを、私たちは音の高さとして認識します。
振動数が高ければ高いほど、高い音として感じます。
人が聞くことのできる振動数の範囲のことを可聴域といい、その範囲は20~20000Hzとなっています。
簡単にいうと、人間は20Hz以下の音と2万Hz以上の音を聞くことができないということです。
特に、2万Hz以上の音のことを超音波といいます。日常生活でもたまに聞く言葉ですよね。
音の波形が異なると、音色が違うように感じます。
同じ高さ・大きさの音でも、ギターとピアノでは音の感じが違いますよね。
高校物理では、波形が綺麗な正弦波ばかり出てきますが、本当は色々な形をした波がたくさんあります。
例題
花火が光ったのを見てから、10秒後に花火の音が聞こえてきた。このとき、花火が光った地点までの距離は何mか答えなさい。ただし、気温は30℃とする。
まとめ
音波は疎密波(縦波)であり、空気の振動が伝わる現象です。
音速は\(V=331.5+0.6t\)であり、温度が高ければ高いほど速くなります。
音の3要素は、音の大きさ・音の高さ・音色のことであり、それぞれ振幅・振動数・波形が関係しています。