・自由端反射と固定端反射とは
・自由端反射と固定端反射の作図
物体が壁に当たると跳ね返るように、波も媒質の端に当たると反射をします。
毎朝、鏡に映った自分の顔を見ますよね?
光という波が鏡で反射した結果、自分の顔を見ることができます。
このように波には反射という現象があるのですが、ややこしいことに、自由端反射と固定端反射の2種類の反射が存在しています。
今回は、自由端反射と固定端反射とは何かについて、わかりやすく簡単に解説をしていきます。
自由端反射とは
媒質が自由に動ける端での反射。山は山、谷は谷のまま反射する。
自由端反射とは、媒質が自由に動ける端での反射のことであり、山は山、谷は谷のまま反射するという特徴を持っています。
そもそも、自由に動けるような媒質の端のことを自由端といいます。
自由に動ける端って何だよ…と思うかもしれませんが、縄跳びの片方の端を揺らしたとき、もう片方の端を自由にさせている状態、くらいのイメージで良いです。
自由端反射では、山は山のまま反射をします。
同様に、谷は谷のまま反射をします。
自由端反射の作図の方法
自由端反射は、山は山、谷は谷のまま反射をします。
自由端反射を作図するためには
・自由端を無視し、そのまま波を動かす(既に動いた後の場合もある)。
・自由端からはみ出ている部分を、自由端を本の中心だと思い、自由端を中心にして、そのまま折り返す。(線対称)
・その後、元々ある波と重ね合わせ、合成波を描きます。
この図のように、自由端からはみ出ている部分を、自由端を軸として折り返します。
折り返すとは、インクをたっぷり付けた本を折りたたんだときにインクが付いてしまうような場所のことです。用語を使うと、線対称にするともいいます。
問題によっては、反射波(反射した波のこと)だけを描けと出題される場合もありますが、反射波と入射波を合成するような問題が出題される場合もあります。
そのときは、波の重ね合わせを用いて、そのまま重ね合わせましょう。
固定端反射とは
媒質が固定されている端での反射。山は谷、谷は山となり反射する。
固定端反射とは、媒質が固定されている端での反射のことであり、山は谷、谷は山になり反射するという特徴を持っています。自由端反射とは逆の反射ですね。
自由端と固定端の見分け方については物理基礎ではなく物理の方で学びます。
物理基礎では、自由端反射と固定端反射の2種類の反射があるんだと思っていれば大丈夫です。
固定反射の作図の方法
固定端反射は、山は谷、谷は山になり反射をします。
固定端反射を作図するためには
・固定端を無視し、そのまま波を動かす(既に動いた後の場合もある)。
・固定端からはみ出ている部分の位相を逆にする。(上下を入れ替える)
・固定端からはみ出ている部分を、固定端を本の中心だと思い、固定端を中心にして、そのまま折り返す。(線対称)
・その後、元々ある波と重ね合わせ、合成波を描きます。
固定端は位相が逆転するので、自由端よりも作業が1つ増えています。
しかし、それ以外は自由端反射と作図の方法は自由端反射と同じです。
固定端反射では、位相が逆転するということだけを覚えておけば大丈夫ですね。
例題
例題1
図のような波が右向きに進んでいる。媒質の端が固定端であるとき、右端の固定端で反射された波形として正しいものを①~④のうちから1つ選びなさい。
まとめ
反射には自由端反射と固定端反射の2種類があります。
自由端反射はそのまま反射、固定端反射は上下が入れ替わり反射をします。
物理基礎では、それぞれの反射の作図の方法が分かれば良いです。