・エネルギーとは
・運動エネルギーとは
・運動エネルギーと仕事の関係
前回と前々回において、「仕事した」とは「エネルギーを与えた」という意味であると習いました。
仕事はエネルギーのことであるということは、高校物理を学ぶ上で絶対に忘れてはいけない内容です。
今回は、そもそもエネルギーって何?
という話と、エネルギーの1つでもある運動エネルギーについての解説を行います。
エネルギーとは何か
物体が仕事をする能力のこと。
もし物体を1Nの力で1m動かせるならば、1Jのエネルギーを持っていることになる。
エネルギーとは、物体が仕事をする能力のことを言います。
エネルギーの単位は[J](ジュール)なので、〇〇エネルギーの単位は全て[J]になります。
私たちが普段使っている[cal](カロリー)もエネルギーの単位なのですが、物理では使いません。一応、\(1cal≒4.2J\)と決まっています。カロリーを4.2倍するとジュールです。
また、絶対に忘れてはいけませんが、「仕事をする」とは「エネルギーを与える」という意味であり、
仕事の公式は\(W=Fs\)なので、物体を1Nの力で1m動かすことができると、1Jのエネルギーは持っているということになります。
もし何も動かせないのであれば、それはエネルギーの無い状態ということですね。
つまり、エネルギーという言葉を簡単に説明すると、エネルギーとは物体を動かすことのできる能力がどれくらいあるかを示すものであると言うことができます。
物体の運動は運動方程式を用いることで解くことができるのですが、運動によっては運動方程式で解くことが難しい場合があります。
振り子やジェットコースターなど、物体が真っ直ぐ進まない運動の場合、運動方程式で解くことは実質無理なのです。理論上可能ですが、実質無理という感じです。
このような、運動方程式では解けない運動を解くために、エネルギーというものを使います。
エネルギーには様々な種類があるのですが、力学の分野では運動エネルギーと位置エネルギー(2つ合わせて力学的エネルギー)について勉強します。
運動エネルギーとは何か、位置エネルギーとは何か、力学的エネルギーとは何か、これらの内容が物理基礎の力学の最後の内容となっています。
運動エネルギーとは その公式
運動している物体が持っているエネルギーのこと。
動いている物体は必ず運動エネルギーを持っている。
$$K=\frac{1}{2}mv^2$$
運動エネルギーとは、運動している物体が持っているエネルギーのことです。
記号はkinetic energyの頭文字であるK、単位は[J]なのですが、Kという記号はほとんど使わないので、覚えなくていいです。
公式は
$$K=\frac{1}{2}mv^2$$
です。この式は本当によく使うので、必ず覚えましょう。
エネルギーとは「物体を動かすことのできる能力を持っている」ということです。
運動している物体が他の物体と衝突すると、物体を動かすことができるので、運動している物体は運動エネルギーを持っていると言うことができます。
とりあえず、物体が動いていれば運動エネルギーを持っている、物体が複雑な動き(曲がる等)をしている・エネルギーという言葉が出てくれば運動エネルギーを使うかもしれない、と思っておけば良いでしょう。
例題
例題1
次の各問に答えなさい。
(1)質量50kgの人が速さ6m/sで走っている。この人の持つ運動エネルギーは何Jか。
(2)質量0.50kgの物体が持っている運動エネルギーが9Jのとき、この物体の速さは何m/sか。
例題2
水平面上を速さ4m/sで運動している質量1kgの物体に力を加え、同じ向きに6m/sにした。このとき、力が物体にした仕事は何Jか。
まとめ
運動エネルギーとは、運動している物体が持っているエネルギーのことであり、
$$K=\frac{1}{2}mv^2$$
で表されます。
運動エネルギー単体ではあまり問題は出題されず、後に勉強する力学的エネルギー保存の法則でよく使います。
今はとりあえず公式を覚えておきましょう。