・連続波とパルス波について
・振動数と周期の関係
・波の基本式
前回に引き続き、今回も波に関する基本的な用語を、可能な限りわかりやすく簡単に解説していきます。
今回説明する「振動数・周期・波の基本式」は他の分野でも使う重要な内容なので、しっかり理解しておきたいです。
まずは、波の基本的な用語の説明の続きをします。
連続波とパルス波とは
連続波とは、その名の通り連続的に波源を振動させてできた波です。
上図が連続波です。波がずーっと現れては進んでいくイメージですね。
一方、パルス波とは、断続的に振動するような孤立した波のことを言います。連続していない波がパルス波です。
周期とは
1回振動するのにかかる時間
周期とは、1回振動するのにかかる時間のことで、記号はT、単位は秒[s]で表します。
「1回に何秒かかるか」ということが周期であるため、「地球の公転周期」「潮汐の周期」「月経の周期」と日常生活で使うこともありますよね。
周期は英語でperiodですが、時間を表すので大文字のTを使います。
計算は非常に単純で、5回振動するのに50秒かかれば、周期T=10秒となります。
振動数とは
1秒間に振動する回数
振動数とは、1秒間に振動する回数のことです。
記号はfrequencyの頭文字のfを使い、単位は[Hz](ヘルツ)です。
楽器を習っている人や、音楽系の部活に入っている人は必ず知っていると思いますが、ラの音は440Hzですよね。(吹奏楽だと442Hzに合わせることが多いです)
「440Hzとは、1秒間に440回揺れていること」なので、喉を1秒間に440回揺らすことでラの音を出すことができます。
周期と振動数の公式
$$f=\frac{1}{T}$$
周期と振動数の説明が似ていることに気が付きましたか?
・周期T[s]…1回振動するのにかかる時間
・振動数f[Hz]…1秒間に振動する回数
周期は1回にT秒、振動数は1秒でf回
という、反対の説明になっていますよね。
これを比で表すと
$$1回:T秒=f回:1秒\\
T×f=1×1\\
f=\frac{1}{T}$$
となります。
これが周期と振動数の関係の公式です。
波の基本式とは
$$v=fλ$$
$$v=\frac{λ}{T}$$
波の基本式は、波動の分野の中で最もよく使う重要な公式です。
図のような、右に進む連続波を考えてみます。
オレンジ色で表した部分は波長なので、長さはλ[m]です。
周期T[秒]とは1回振動するのにかかる時間なので、T[秒]経つと波1つ分であるλ[m]進んでいることになります。
波の速さが一定であるとすると、
$$速さ=\frac{距離}{時間}$$
なので、
$$v=\frac{λ}{T}$$
となります。
ここで、
$$f=\frac{1}{T}$$
を使うことで
$$v=fλ$$
という式を求めることができます。
例題
図のような正弦波が、x軸正の向きに2.0m/sの速さで進んでいる。次の各問に答えなさい。
(1)この波の波長は何mか。
(2)この波の振動数は何Hzか。
(3)この波の周期は何sか。
まとめ
波の基本的な用語と式について説明をしました。
周期T[s]は1回振動するのにかかる時間、振動数f[Hz]は1秒間に振動する回数であり、
$$f=\frac{1}{T}$$
という関係があります。
波の基本式
$$v=fλ$$
$$v=\frac{λ}{T}$$
は波動の分野で一番よく使う式なので、勉強しているうちに勝手に覚えてると思います。