ファクトチェックというものをご存知でしょうか。
アメリカの大統領の発言が正しいかどうかファクトチェックを行っているという話を聞いたことが人は多いと思います。
今回は、ファクトチェックとは何か、ファクトチェックの判定について簡単に説明していきます。
ファクトチェックは事実確認ではなく真偽検証
ファクトチェックとは情報の内容が正当かどうかを検証する行為です。
例えば、2016年にドナルド・トランプ氏が「アメリカで凶悪犯罪が大幅に増加している」という発言をしたとき、本当に「アメリカで凶悪犯罪が大幅に増加している」のかどうかを検証する行為がファクトチェックになります。
このとき、
「アメリカで凶悪犯罪が大幅に増加している」と本当に発言したのか?(事実確認)
ではなく、
「アメリカで凶悪犯罪が大幅に増加している」という内容は事実なのか?(真偽検証)
と考えるのがファクトチェックです。
大手のメディアで発信されている内容は十分に事実確認されていると思います。
しかし、発言をしていたことが事実だとしても、発言の内容が正しいかどうかは別の話なので、内容によっては真偽検証を行う必要が出てきます。
ファクトチェックの評価・判定基準
ファクトチェックを行う団体は各国にありますが、日本にはFIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)という非営利団体があり、ファクトチェックの評価・判定基準を載せています。
- 正確
…事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
- ほぼ正確
…一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
- ミスリード
…一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
- 不正確
…正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
- 根拠不明
…誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
- 誤り
…全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
- 虚偽
…全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
- 判定留保
…真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
- 検証対象外
…意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。
自分がSNS等で発信している内容が上記のどれに当てはまるか見直してみるのも良いのではないでしょうか。
例えば、「日本で雷が起こるのは夏のみである」のような、一見合っているのか間違っているのか分からない言葉がSNS上に溢れていますよね。
日常生活においては何も問題ないかもしれませんが、時と場合によっては、自分の発言が正しいかどうかが大切になる場合もあります。
自分の発言の内容を誰かにファクトチェックしてもらうのも良いのではないでしょうか。
ちなみに、石川県は冬に雷が起きます。
※注意 事実と意見は別
FIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)は以下のような例を挙げて、分かりやすくファクトチェックの対象について説明しています。
① ジョージ・ワシントンは米国の最も偉大な大統領であった。
② ジョージ・ワシントンは米国の初代の大統領であった。
②は客観的な事実なのでファクトチェックの対象内。
①は意見なのでファクトチェックの対象外。
という内容です。
当ブログには「教養」「雑学」「考え方」という3つのカテゴリがありますが、教養と雑学は「正確」、考え方は良くて「ほぼ正確」、悪くて「根拠不明」と思いながら書いています。
可能な限り正確な内容を述べようという気持ちはあるのですが、個人で行っているものなので、間違いが入ってしまう可能性は十分高いでしょう。もし間違っている内容があれば教えていただきたいです。
まとめ
発言の内容に正当性があるかどうかファクトチェックをすることを見かける機会は多くなってきました。
日本にもいくつかファクトチェックを行う団体があり、その中の一つであるFIJが載せている基準が興味深いです。
これを機に、自分の発言が正しいかどうかを見返してみてはいかがでしょうか。
正直、正確とは程遠い発言をSNS上で見かけるので、そういう人は見直してほしいです。