「数字は嘘をつかない」の落とし穴 数字に騙されないために必要な力とは?

「数字は嘘をつかない」の落とし穴 数字に騙されないために必要な力とは?
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2,839人。

これは、警察庁が発表した2020年の日本における交通事故の死亡者数です。

「2020年、日本において一年間で交通事故による死亡者は2,839人であった。」ということは比較的信頼性の高いデータであり、警察庁に問題が無い限り大きな間違いはないだろうと考えられます。

数字は嘘をつきません。データはデータであり、受け取り方によって数字が変わることもありません。

 

しかし、人間には「目の前に現れた数字が最も重要であると感じてしまう癖」があります。

2,839人という数字は変わりませんが、2,839人をどう解釈するかは人によって異なるのです。

 

2,839人は多いのでしょうか?

それとも少ないのでしょうか?

 

私たちは、どうしたら数字に騙されない人になれるのでしょうか?

今回は、数字に騙されないようにするためのちょっとしたテクニックを紹介します。

1つの数字だけ見ず、他の数字と比べてみる

2,839人という数字は数字以上の意味を持ちません。

しかし、人間はどうしても「目の前の数字だけに注目してしまう癖」があります。

数字を見つけたときは、1つの数字だけを見ずに他の数字と比べてみましょう。

西暦 死亡者(人)
2005年 6,937
2010年 4,948
2015年 4,117
2020年 2,839

2020年の死亡者数だけではなく、他の年の死亡者数を見るとどう思うでしょうか?

上の表を見ると、「死亡者数は順調に減ってきていて、2,839人という数字は比較的少ないのではないか?」と感じると思います。

このように、一つの数字だけではなく多くの数字を比較して判断した方が、より妥当な判断だと考えられるのではないでしょうか?

割り算を活用する

「割合」は数値の大小の判断基準となります。

日本の人口は約1.25億人ですが、世界から見た割合としては約1.6%です。

数値単体で見るよりも、割合で見た方がより良い判断基準になる場合があります。

西暦 死亡者(人)

交通事故発生件数(件)② ①と②の割合

(%)

2005年 6,937 934,346 0.7424
2010年 4,948 725,924 0.6816
2015年 4,117 536,899 0.7668
2020年 2,839 309,000 0.9188

警察庁の発表した交通事故発生件数と死亡者数との割合を表で見てみましょう。

上の表をみると、死亡者数は減っていますが割合が減っているわけではないことが分かります。

「死亡者数2,839人という数字は、交通事故発生件数309,000人であることを考えると割合としては多い」と考えることもできますよね。

このように、数字をそのまま見ず、割合を使って確認すると今まで出てこなかった考えが現れます。

他の項目にも注目する

日本における主な死因は以下の通りです。

主な死因(2022年)
・悪性新生物<腫瘍>
・心疾患(高血圧性を除く)
・老衰
・脳血管疾患
・肺炎
・誤嚥性肺炎
不慮の事故
・腎不全
・アルツハイマー病
・血管性及び詳細不明の認知症

主な死因を箇条書きにすると、どれも同じくらい死に関わる重要な要因に思えますが、実は違います。

悪性新生物<腫瘍>は24.6%、心疾患(高血圧性を除く)は14.8%、老衰は11.4%の割合ですが、不慮の事故は2.8%という割合です。(しかも、全ての不慮の事故が交通事故というわけでもありません。)

今まで交通事故による死亡者数が多いか少ないかを考えてきましたが、そもそも交通事故による死亡者数を考えることが今必要なことなのか考え直すことができます。

このように、他の項目にも注目することで、そもそも今見ている数字は大切な数字なのかを再確認することができます。

まとめ 数字は嘘をつかないが噓つきは数字を使う

『トム・ソーヤーの冒険』の著者として知られているアメリカの著作家マーク・トウェインは「数字は嘘をつかないがうそつきは数字を使う」という言葉を残しています。

数字は嘘をつきません。しかし、1つの数字でも見方を変えれば様々な解釈を行うことができ、悪意の有無にかかわらず私たちは数字に騙されてしまう可能性があります。

目の前に現れた数字が最も重要であると思い込まないように、数字を見たときは以下の3つのポイントを思い出してください。

1つの数字だけ見ず、他の数字と比べよう。

・割り算を活用しよう。

・最も大きい項目に注目しよう。

この記事も数字を使って貴方を説得しようとしている内容であることを認識すれば、数字に騙されにくくなるのではないでしょうか。

数字を見つけたら今目の前にある数字だけに注目せず、様々な視点から数字を見るようにしましょう。

参考1 「2020年の交通事故死者数は2839人、統計開始以来最小を更新し初めて3000人を下まわる」
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1298268.html

参考2 「令和4年(2022年)人口動態統計月報年計(概数)の概況」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4.pdfchrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/dl/gaikyouR4.pdf

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