波とは

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この記事で学べる内容

波とは何か

媒質と波源について

波長とは何か

今回から波についての内容になります。
波といえば「海の波」のことを真っ先に思い浮かべると思いますが、「波」という言葉は電波・地震波・音波など色々なものに使われていますよね。
これらの波には共通の性質があり、「波という現象はどのような性質を持っているのか」ということが物理の波の内容です。

今回は、そもそも「波とは何なのか」について。わかりやすく簡単に解説をしていきます。

波とは

次々と振動が伝わっていく現象

波とは、次々と振動が伝わっていく現象のことです。

波とは

波と言われて真っ先に思い浮かぶのは水の波ですよね。
水の波は「水面波」と言い、波の一種となっています。

円の中心で起きた振動が次々と周囲に伝わっていくため、水面波は波の一種であると言えます。

電磁波地震波音波

電磁波や地震波、音波も次々と振動が周囲に伝わっているので、波の仲間です。
では、波という現象にはどのような特徴・共通点があるのでしょうか?
波という現象を詳しく説明するため、まずは基本的な用語について紹介をしていきます。

波源・媒質とは

波源と振幅とは

まず、波の発生源のことを波源といいます。
水なら揺らした場所、声なら喉、電磁波なら電磁波を出しているもの、地震なら震源が波源です。
波とは振動が伝わる現象のことなので、発生源がないと波という現象は起きません。

次に、媒質とは波を伝えるもののことをいいます。
水面波なら水、音波なら空気、電磁波なら空間そのもの、地震波なら地面です。
音波は空気が揺れているため、真空では音が伝わりません。
もちろん、地面がなければ地震はありませんし、水がなければ水面波もありません。
振動が伝わるといっても、「何が振動しているのか?」というものが決まっているのです。
なお、電磁波が空間そのものを揺らしているということについては、物理の方で詳しく勉強します。

正弦波とは

正弦波とは、数学2で学ぶy=sinxの形をしている波のことです。

水面波・音波・電磁波・地震波など様々な波が存在していますが、波いというものを簡単に考えるため、下図のような波を考えます。

波の要素

y=sinxのグラフに似ています。

「sinなんてまだ習ってないよ!」
という人は、「このような奇麗な形をした波のことを正弦波って言うんだな」と、一回だけ思ってくれたらそれで良いです。

高校物理では、このような奇麗な形をした波を中心に、波の性質について考えます。
簡単な形の方が分かりやすくていいですよね。

振幅とは

振幅とは、波の振れ幅の長さのことで、amplitudeの頭文字であるAを使って表します。単位は[m]です。

振幅とは

単純に波の高さが振幅なので、振動の中心からどれくらい高いかを見ます。
また、波の一番高いところを山、一番低いところを谷と呼びます。

谷~山の高さではなく、中心~山(谷)の高さを振動と呼ぶ。

同位相・逆位相とは

波は周期的な現象であり、同じことを何度も繰り返し振動しています。
波の振動が「どれくらいの大きさ・速度であるのか」のことを位相と呼びます。

同位相と逆位相とは

例えば、上図の同じ色の丸の部分は、位相が同じであるため同位相、青い丸と黄緑の丸は振動の状態が真逆であるため逆位相と呼びます。

赤い丸とピンクの丸は、同じ高さですが方向が違うので逆位相です。

波長とは

波長λ[m]

隣り合う2つの同位相の間の長さ

波長とは、隣り合う2つの同位相の間の長さのことを言います。

記号はギリシャ文字のλ(らむだ)、単位は長さなので[m]です。

波長について理解することが物理基礎の波動の中で一番大切なこと、と言っても過言ではないくらい大切な内容です。

波は周期的な運動

波は周期的であるため、同じことを何度も繰り返しています。
同じことを何度も繰り返している、その1つ1つの形の長さのことを波長といいます。

波長とは

この図でいうと、赤い矢印で示した長さが波長です。
赤い矢印の左右の点は同位相の2点なので、これを波1つの長さと考えます。

波長とは2

隣り合う同位相の2点間の長さであれば、どの2点であっても波長とすることができます。
上図のように、山と山の間の長さも波長です。
同様に、谷と谷の間の長さも波長となります。

どの場所から始めてもいいので、1周期分の長さのことを波長と呼びます。

例題

例題1

図のような波がある。以下の問に答えなさい。
(1)P2と同位相の点をP1~P6の中から全て選びなさい。
(2)P3と逆位相の点をP1~P6の中から全て選びなさい。

位相例題

解答

(1)P6

(2)P1、P5

 

例題2

図のような波がある。この波の振幅と波長は何mか。

波長振幅例題

解答

振幅は波の高さ、波長は波1つ分の長さです。

波長振幅とは

波長は、山から山の長さでもあるので、赤い矢印の長さを見ます。

 

∴振幅A=0.10m 波長λ=2.0m

 

まとめ

波とは「次々と振動が伝わる現象」のことです。

・波源…波の発生している場所

・媒質…揺れて伝わるもの

・振幅A[m]…波の振れ幅のこと

・波長λ(らむだ)[m]…波1周期分の長さ

今回の内容は基本的な用語の説明なので、一つ一つの用語の意味が理解できていれば大丈夫です。

次回もまた、波の基本的な用語の説明をしたいと思います。

 

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