複数の説明を用意するべき

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私たちは日常的に、何かの理由を説明をしている場面に出くわします。

「なんで勉強しなくちゃいけないの?」
「なんでそれが好きなの?」
「どうして○○を始めようと思ったの?」

何事にも理由というものがあり、私たちは何かの理由について説明をします。
たとえ上手に説明できる自信があったとしても、私たちは複数の説明を用意しておく必要があります。
今回は、「一体なぜ複数の説明を用意しておくべき必要があるのか?」について説明したいと思います。

人によって分かりやすい説明は異なる

「人間は有性生殖をするので、減数分裂をすることで配偶子(精子や卵子)を生み出す」

減数分裂は、中学校の理科で誰もが習う内容です。高校の生物基礎でも勉強する内容ですね。
この分野では、体細胞分裂と減数分裂の違いに注目し、
「なぜ有性生殖をする生物は減数分裂を行うのか?」
について教わります。

教科書的な説明をいうと
「生殖細胞の染色体数が2nのままで受精していくと、細胞の染色体数は受精するごとに2倍に増えてしまうから」
という説明になります。

ある程度の生物の知識を持っている人から見ると、これ以上ない説明に見えますし、実際正しい説明なのですが、人によっては分かりにくい説明である可能性もあります。

どんなに正しく分かりやすいと思える説明であっても、全ての人が同じように分かりやすいと思うとは限りません。

この例でも、少しでも多くの人が「減数分裂をする意味」を理解できるように、複数の説明を用意しておく必要があります。

噛み砕いた説明をする

減数分裂を知っている人にとって、
「生殖細胞の染色体数が2nのままで受精していくと、細胞の染色体数は受精するごとに2倍に増えてしまうから」
という説明は分かりやすい説明です。

しかし、減数分裂を知らない人・生物が苦手な人にとっては、この説明だと難しく、理解しにくいかもしれません。
そういう人のために、噛み砕いた説明を用意しておいた方が良いでしょう。

例えば、
「減数分裂をせずに両親から染色体を受け取ると、子供の染色体の数は世代を重ねる度に2倍ずつ増えていってしまうので、減数分裂で染色体の数を半分にしなければいけない」
このように説明すれば、さっきの説明よりも初学者にとって分かりやすい説明になります。

もし、説明相手の理解力をもう少し低めに想定するのであれば、もっと簡単な説明を用意すると良いでしょう。

噛み砕いた説明は初学者にとっても分かりやすくなりますが、正確な(一般的な)説明から離れていくというデメリットもあるので、その点には注意が必要ですね。

別の視点から説明する

事実は1つであっても、事実を見る視点は1つではありません。

「減数分裂をすると、両親の染色体を半分ずつ貰い、染色体の組み合わせの種類が多くなり多様化する。子が多様化することによって、さまざまな環境に適応するのに有利になり、種を存続させる可能性が高まる」
と説明してもいいのではないでしょうか?

「なぜ減数分裂をするのか」について、全く別の視点から説明しています。
説明を聞く人にも多様性があるため、別の視点からの説明の方がピンとくる人もいるはずです。

別の視点から説明するコツとしては、視点の広さを変えることです。ミクロのマクロのような関係ですね。

ここでは、「種の存続させる可能性が高まる」のような大きな視点からの説明を行いましたが、メカニズムのような小さな視点からの説明をしてもいいかもしれません。

間違った説明をしてはいけない

分かりやすさを重視して、多少事実と異なる説明をしてしまうことは仕方のないことであると思います。

しかし、「昔の生物が減数分裂をしたいと願って減数分裂をするようになった」「神様が人間をそういうふうに設計した」など、明らかに間違った説明をしてはいけません。

人によって理解の仕方が違うとはいえ、完全に間違った理解をしている場合は正す必要があります。
できることなら、正しく理解できているかどうかをテストや会話で確かめた方がいいかもしれませんね。

まとめ

人間には多様性があります。
何かの理由を説明するとき、1つの説明で全員が同じように理解するなんてことは考えられません。
もし理解していたとしても、理解の仕方が違う人もいるでしょう。

何かの理由を説明するときは複数の説明の仕方を用意する必要があります。
少し簡単な説明や別の視点からの説明など、複数の説明を用意することにより、より正確に自分の言いたいことを相手に伝えることができるようになるでしょう。

しかし、複数の説明をするために、完全に間違った説明をしてはいけません。
いくら別の説明とはいえ、間違った説明は間違っているのです。

ただ、分かりやすさを重視するため、多少事実と異なる説明をすることは仕方のないことであると思います。
その辺は上手くやっていくしかないでしょうね。

 

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