マーフィーの法則というものをご存知でしょうか。
バターを塗ったパンを落としたとき、カーペットの値段が高ければ高いほどバターを塗った面が下になり着地する
のような、シュールな笑いを誘う哀愁漂った経験則のことをマーフィーの法則といいます。
実は、マーフィーの法則は2種類あり、別のマーフィーさんの名前が使われているマーフィーの法則(マーフィーの成功法則)もあるのですが、この記事ではちょっと笑える経験則をまとめた方のマーフィーの法則について説明していきます。
マーフィーの法則とは
マーフィーの法則とは
マーフィーの法則とは、「失敗するものは全て失敗する」という悲観的でありながらどこか面白い経験則をまとめたものです。
一番有名な例は、上にも書いた
バターを塗ったパンを落としたとき、カーペットの値段が高ければ高いほどバターを塗った面が下になり着地する
というものです。
のような、そんなことは無いはずなのにどこか納得・共感できてしまうような現象をマーフィーの法則と言います。
マーフィーの法則は”法則”ではない
マーフィーの法則はあくまでも笑える経験則をユーモアとして表現しているものであり、厳密に言うと”法則”ではありません。
要は、数学や科学のように証明されているものではないのです。
後述するように、実証されているものも一部ありますが、ほとんどものは証明されていないどころか、個人の偏見や先入観の入った不正確なものです。
「マーフィーの法則が本当の法則じゃないことなんて分かってるんだよ!」という前提でマーフィーの法則というユーモアを楽しんでいることをお忘れなく。
マーフィーの法則の笑える例の一覧
- カレーうどんの汁は、着ている服が白ければ白いほど遠くへ飛ぶ
- 洗車をすると雨が降る
- 急にお腹が痛くなったとき、やっとの思いでトイレにたどり着くまでにかかった時間が長ければ長いほど、トイレが和式である確率も高くなる
- くしゃみが出そうで出ないとき、ティッシュ箱の中身が空に近ければ近いほどくしゃみが出る
- 欲しいと思った服は、欲しいという気持ちが強いほど、欲しいサイズが売っていない可能性も高くなる
- 面白いと思えるイベントは、面白ければ面白いほど終わった後に知る可能性も高くなる
- 今日は雨が降りそうだからと珍しく傘を持って外出すると、雨の降る可能性が低くなる
- サッカーの試合をテレビの前で応援しているとき、お手洗い等で少し目を外した瞬間にゴールが決まる
- ガス給湯器は点検の人が来た時だけ静かに動く
- 急いでいるときにレジに並ぶと、いつもより長く並んでしまう
- いらないと思って捨てたものが、捨てた後すぐに必要になる
- 空港のベルトコンベアで荷物を待っていると、必ず別のベルトコンベアから自分の荷物が出てくる
- ゲームにて、攻撃が外れて欲しくない時ほどよく外れる
- 探しているときに限ってタクシーが見つからない
こういったものが、マーフィーの法則の典型的な例となります。
落としたトーストの法則とイグノーベル賞
バターを塗ったトーストを落とすとバターを塗った面が下になって落ちるのか?
アストン大学のロバート・マシューズは、この現象を実際に検証し、ほとんどの場合において「バターを塗ったトーストを落とすとバターを塗った面が下になって落ちる」ことを証明しました。
この実績は、1996年のイグノーベル賞(物理学賞)となっています。
机の上に置いておいたパンが、ひょんなことから机からはみ出してしまい落下することを考えます。
机の上に置いたパンは、当然上面にバターが塗ってあるため、落下中に90°~270°回転すると上面が下になり着地することになります。
パンが直方体であることを利用し剛体の運動方程式を解くことで、「机の高\(h\)さとパンの大きさ\(2a\)が分かると、パンの中心から何cm\(α\)はみ出るとバターの塗った面が下になるかどうか」が分かります。
(計算方法の詳細は割愛させていただきます。)
例えば、机の高さ\(h=75cm\)、パンの大きさ\(2a=10cm\)のとき、パンの中心から\(0~3cm\)はみ出て落下したとき、バターを塗った面が下になって着地します。
机の高さ\(h=75cm\)
パンの大きさ\(2a=10cm\)
⇒パンの中心から\(0~3.2cm\)はみ出て落下したとき、バターが下になる
机の高さ\(h=75cm\)
パンの大きさ\(2a=12cm\)
⇒パンの中心から\(0~4.8cm\)はみ出て落下したとき、バターが下になる
机の高さ\(h=100cm\)
パンの大きさ\(2a=12cm\)
⇒パンの中心から\(0~3.4cm\)はみ出て落下したとき、バターが下になる
イグノーベル賞っぽいですよね。面白いです。
なお、さらにはみ出してから落下するとバター面が上になり、さらにはみ出すとバター面が下になります。
当然ですが、カーペットの値段は関係ありません。
バター猫のパラドックス
パンにバターを塗ると、バターを塗った面が必ず下になって着地する
+
猫は必ず足の方が下になり着地する
↓
猫の背中にバターを塗ったパンを付けたら、どちらが下になり着地するのか?
このようなものをバター猫のパラドックスと言います。
パンはバターを塗っている方が下になる、猫は足が下になり着地する、「じゃあ合わせれば無限に回転するんじゃないか?」という発想をした人、凄いですね。大変ユーモアに溢れていて面白いです。
バター猫のパラドックスを使った10年以上前のCMの、有名なGIFアニメーションがこちらです。
YouTubeでも見ることができます。
まとめ
マーフィーの法則とは「失敗する可能性のあるものは必ず失敗する」という悲観的でありながらどこか面白みのある経験則のことを言います。
一番有名なのが「バターを塗ったパンを落としたとき、カーペットの値段が高ければ高いほどバターを塗った面が下になり着地する」という法則であり、バターを塗った方が下になるのかどうかはイグノーベル賞が出るほどのものとなっています。
マーフィーの法則は、いわゆる自然科学でいうところの”法則”ではなく、経験則や個々人のイメージをまとめたものとなっているため、絶対に正しいというものではありません。あくまでもネタ、冗談です。Just kidding.