かいしー読書部では、私が読んだ本を紹介していきます!
今回紹介するのは『貧困女子の世界』。
私はインターネットに長いこと生息しているため、ネット上の闇についてはある程度詳しいというか、良くも悪くも色々な人と会話をするのでインターネットを使わない人よりかは元々詳しい方だったのかなって思ってました。
やっぱ、自分の知らない世界ってたくさんあるんだなーっていう感想です。
若者の貧困女子の世界は知っていましたが、30代やそれ以上の女性の貧困については知らないことばかりでした。
純粋に、知らない世界があるんだということを知ることのできる本だったのかなと思います。
『貧困女子の世界』|要約・著者紹介
要約
恋愛経験のない処女が風俗勤務し、女子大生がソープランドの個室でオンライン授業を受け、シングルマザーが「パパ活」で生活費を稼ぐ―止まらない国民の貧困化。最大の「被害者」は若者と女性だ。停滞する賃金、上がり続ける税金と学費。女子大生は風俗で働くことを半ば強制され、単身中年女性はカラダを売っても生活できない状況まで追い込まれた。「貧困女子」という言葉が一般化しておよそ10年。本書は彼女たちの告白に耳を傾け続けてきた著者による記録の集大成である。
まず、コロナ禍が風俗業界に与えた影響と風俗で稼いでいた女性が急に稼げなくなってどうしたかが書いてあります。
その後、パパ活や性風俗で学費を稼いでいる女子大生のエピソードから、熟女→非正規女子→シングルマザー→高齢女性と女子というより女性の貧困とパパ活・性風俗の具体的なエピソードを綴っている本になります。
著者紹介
中村淳彦
1972年、東京都生まれ。ノンフィクションライター。貧困や介護、AV女優、風俗などの分野でフィールドワークを行い、執筆を続ける。貧困化する日本の現実を可視化するために、過酷な現場の話にひたすら耳を傾けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『貧困女子の世界』を読もうと思ったきっかけ
多分、日本が段々悪くなっているという危機感を煽るようなものに興味を持ってしまうような本能を持っているからだと思います。
noteとかで日本の貧困についての記事や、ニュースサイトでの記事で紹介されていたのを見て知ったのだと思います。
短くて一瞬で読み終えるような量だったので、気軽に読めるのも良いですね。
『貧困女子の世界』から学んだこと
分かったことは以下の通りです。
・SNSとかニュースで取り上げられている事例を改めて見ることができる。
・やっぱ、ソープ嬢って若い内は稼げるんだなぁ。
・ピンサロとか人気のないデリヘルとかはやっぱ稼げないんだなぁ。
・おばあさんで立ちんぼする人もいるんだ、乱行パーティで稼ぐ人もいるんだ。知らなかった。
・若者の事例はよく知っていたが、高齢者の性事情はよく知らなかったので、どういうことが行われているのかの一例を知ることができた。
・やはり奨学金制度はダメ。その点は完全同意。子供に利子付きでお金を貸すとか悪魔の考え方かよ。
・風俗界の事情や知識を少し知った気になれる。
・非正規雇用のせいで稼げなくなってる影響が多いのは女性だということの再認識。日本のあり方はどこかオカシイ。
逆に、分からなかったこと、怪しいなと思ったこと、共感できなかったとこもあります。
・個別のケースしか載っておらず、統計的なデータが何も無い。本書に載ってるような女性が多くの割合を占めているのか分からない。一部を取り上げているだけの可能性がある。「風俗に働いている人=仕方ない事情がある人」とは限らないのに触れてない。
・色んな女性のエピソードが載っていたが、本当なのかどうか分からない。盛ってる部分もあるんじゃないか?と疑ってしまう。客観的なデータが少なく、どれくらい本当のことなのか判断できない。本人の証言だけ聞いて「これ本当の話だよ!」って信じるの難しくないですか?
・ナチュラル上から目線というか、どこか遠いところから眺めている感じがする。自分には関係ない感。良くも悪くも「こういう事例がありますよ」と伝えるだけ。
・見方によっては「お金無ければ風俗やればいいよ!」って言ってるようにも見える。
・「昔は風俗で凄く稼いでました。たくさんお金使いました。今貧困です。」……うーん、流石にそれは知らないというか、もっとやりようがあったろ?
「じゃあ生活保護貰えばいいじゃん」って思ってたけど、桐生市の例があるし何ともなぁ。
感想
良くも悪くも「貧困女性と性の関わりの事例」がたくさん載ってる本、という印象。
貧困女子=風俗ではないんだけど、貧困女性の中でも風俗等と関わりのある人に注目している感じ。
風俗と関わっていない貧困女子のことは分かりませんし、貧困が理由で働いてるわけではない風俗関係の人のことも分からない。
あくまでも、貧困女性かつ性を売ってる人の話。
「こういう人がいるんだ」ということが知りたければ、この本には数多くの事例が載っているので確実に満足できる内容になってると思います。
「女子大生が急増している」って言われても、その人のイメージや感覚での話すぎて素直に受け取ることができない。肌感覚として筆者が実感しているのは分かるんだけど、その肌感覚をどれくらい信じていいのか分からん〜〜。
好きで働いてる人もいれば、きちんとお金を貯めてる人もいるだろうし…。
なんて人がもしいたとしたら、どんなイメージなのか分かりやすく書かれてるので読みやすくてオススメです。