高校物理基礎

自由落下・鉛直投げ下ろし・鉛直投げ上げとは

この記事で学べる内容

重力加速度とは何か

自由落下 鉛直投げ下ろし 鉛直投げ上げとは何か

落下運動の場合の加速度の3公式について

前回は加速度運動という,物体が速くなったり遅くなったりする運動について勉強しました。
物体の速さは一定ではなく,加速する場合も考えようという内容でしたね。

加速度はアルファベットで何か覚えていますか?
もし覚えていないのであれば,前回の内容をもう一度読み直しましょう。

加速度とは 物理基礎を習う前までは,物体の運動を等速直線運動として扱うことが普通でした。 しかし,物体の運動は早くなったり遅くなっ...

今回は,加速度運動の仲間である「落下運動」について,わかりやすく簡単に解説をしていきます。

重力加速度とは

重力加速度 g[m/s2

落下するときの加速度。
物体が落下するとき,加速度はaではなくgを使う。

地球上では常にg=9.8m/s2となる。

物体が落下する運動も加速度運動の1つです。

落下運動とは

持っている物を落としたとき,止まっていたはずの物体が動き出したということは,物体が”加速”してるということです。

物体は重力によって地球に引っ張られているので,落下するときに加速をするのですが,実は,落下するときの加速度はどこにいても同じ大きさになります。

東京でも北海道でも,日本でもアメリカでも,重力の大きさは同じですよね?
東京よりも北海道の方が「物が速く落ちる」なんてことはありません。

落下するときの加速度は地球上であればどこにいても同じなのです。
(厳密に言うと,日常生活では無視できるような細かな差はあります。)

このように,地球上では落下するときの加速度が常に一定であることが知られており,この加速度を重力加速度といい,g [m/s2]で表します。
地球上では重力加速度gの大きさは9.8 m/s2であり,数字を用いて問題を解く時は問題文に必ず記載されていています。

また,落下運動とは等加速度直線運動の加速度aが重力加速度gに変わっただけの運動と言うことができます。

自由落下・鉛直投げ下ろしとは

自由落下

物体を静かに落とす運動のこと。

静かに落とすので,初速度はv0=0m/sとなる。

また,落下運動なので,加速度はaではなくgとなる。

鉛直投げ下ろし

物体を鉛直下向きに投げる運動のこと。

自由落下とは違い,初速度は0m/sではない

また,落下運動なので,加速度はaではなくgとなる。

重力に縛られているため全然自由ではない気もしますが,物体を静かに落下させる運動のことを自由落下といいます。

静かにとは初速度v0が0 m/sという意味であり,
静かに落とした,自由落下させた,等の言葉が書いてあった場合,初速度v0=0m/sになります。

また,初速度が0 m/sではなく,地面に向かって投げ落とすような運動のことを鉛直投げ下ろしと言います。

物体を投げ,動いた瞬間がスタート地点です。
「投げる前は持ってるということなので,初速度は0ですか?」
と聞かれることがたまにありますが,持っているときのことは考えず,下に投げていれば鉛直投げ下ろしです。

なお,鉛直とは重力のある方向という意味で,鉛直下向きとは重力のある向きに下向きという意味です。

落下運動とは等加速度直線運動の加速度aが重力加速度gに変わっただけの運動であるので,公式は等加速度直線運動と同じです。

落下運動の公式

落下運動の公式

$$①v=v_0+at$$

$$②x=v_0t+\frac{1}{2}at^2$$

$$③v^2-{v_0}^2=2ax$$

加速度の3公式と同じ。

ただし,自由落下の場合はv0=0m/sであり,

加速度aのことろはg=9.8m/s2となる。

加速度の3公式と同じ式を使って問題を解くことができます。

ただし,静かに落とした・自由落下させた等と書いてあった場合は初速度が0 m/sで,落下させているときは加速度が必ず9.8m/s2(文字のときはg)となります。
また,鉛直投げ下ろしの場合は,初速度が0m/sではないことに注意しましょう。

落下運動の公式は等加速度直線運動の公式と同じ!

例題1

ある高さから物体を静かに落としたところ4.0秒後に地面に達した。重力加速度の大きさを9.8m/s2として各問に答えよ。
(1)物体が地面に達する直前の速さは何m/sか。
(2)物体を落としたときの高さは何mか。

自由落下例題
解答

公式を使って問題を解きます。

(1)静かに落としているので初速度0m/s,加速度9.8m/s2であることに注意して
\(v=v_0+at\)より

$$v=0+9.8×4\\
v=39.2$$
∴39.2m/s

(2)同じく,静かに落としているので初速度0m/s,加速度9.8m/s2であることに注意して
\(x=v_ot+\frac{1}{2}at^2\)より

$$x=0+\frac{1}{2}×9.8×4^2\\
x=78.4$$
∴78.4m

鉛直投げ上げとは

鉛直投げ上げ

物体を鉛直上向きに投げる運動。

上向きに投げるため,上向きを+にする。

重力は下向きであるため,gではなく-gとなる。

また,最高点での速さは0m/sとなる。

物体を鉛直上向き(重力のある方向に上向き)に投げる運動のことを鉛直投げ上げといいます。

上向きに投げているので初速度は必ず上向きですが,重力加速度は初速度と反対方向の下向きにあるので加速度を-9.8m/s2として計算します。

投げているのは上向きですが,重力は下向きであり,逆向きですよね。
従って,逆向きである重力加速度gを-9.8m/s2として計算します。
なお,物体が最高点に達し落下するときも加速度はマイナスとして計算します。

鉛直投げ上げとは

物体の位置が一番高くなる点を最高点と言います。
最高点は物体が折り返す地点でもあるので,最高点では速度が0m/sになります。

また,物体が上がっているときと落下しているときは対称的であるため,同じ高さでは速さが等しく,地面から最高点までにかかる時間と最高点から同じ高さの地面までにかかる時間は等しくなります。

もちろん,等加速度直線運動の仲間なので公式は等加速度直線運動と同じです。

鉛直投げ上げ
・加速度は-g
・最高点の速度は0
・同じ高さでは速さが等しい(向きは逆)
・等加速度直線運動と同じ公式

例題2

地面から物体を鉛直上向きに投げると4.0秒後に地面に戻ってきた。重力加速度の大きさを9.8m/s2とし,次の各問に答えなさい。
(1)物体の初速度の大きさは何m/sか。
(2)地面に戻ってきたときの速さは何m/sか。
(3)最高点の高さは何mか。

鉛直投げ上げ例題
解答

鉛直投げ上げなので加速度が-9.8m/s2であること,
4.0秒後に戻ってきたということは2.0秒後に最高点にいたということ,
初速度の大きさと地面に戻ってきたときの速さは等しいこと,
地面に戻ってきたときは変位x=0mであること,
最高点では速度が0m/sであることを利用する。

(1)t=4.0sで地面に戻ってきているので,t=4のときx=0を利用する。もちろん,投げ上げなので加速度は-g。

\(x=v_ot+\frac{1}{2}at^2\)より

$$0=v_0×4+\frac{1}{2}×(-9.8)×4^2\\
0=4v_0-78.4\\
v_0=19.6$$
∴19.6m/s

(2)同じ高さでは速さが等しいので,初速度と同じ大きさになります。

∴19.6m/s
(「速さ」なので向きはいりません。「速度」の場合は”鉛直下向き”と書きましょう。)

(3)高さを求めるために公式を使います。

最高点なので,初速度が0,t=2を使うと

$$x=v_0t+\frac{1}{2}at^2\\
x=0+\frac{1}{2}×9.8×2^2\\
x=19.6$$
∴19.6m

まとめ

落下運動も等加速度直線運動の一種なので,等加速度直線運動と同じ公式を使うことができます。

落下運動の公式

$$①v=v_0+at\\
②x=v_0t+\frac{1}{2}at^2\\
③v^2-{v_0}^2=2ax$$

ただし,自由落下の場合はv0=0m/sであり,
加速度aはg=9.8m/s2となる。
鉛直投げ上げの場合,加速度は-gとなる。

鉛直投げ上げの問題が解けるようになると,物理の問題が少しずつ解けるようになっていきます。

今回の内容が理解できれば,きっと今後の内容も理解できるでしょう。

 

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