・熱運動とは
・セルシウス温度と絶対温度とは
今回から熱編です。
温度って何?
熱って何?
どれくらい温めたら氷が融けるの?
水とお湯を混ぜたら何℃になるの?
金属って熱くなると膨張するの?
エンジンの効率ってどれくらいなの?
熱編ではこのような内容を勉強します。
今回は、熱編第1回として、「温度ってなに?」ということについて、わかりやすく簡単に解説をしていきます。
温度とは 熱運動とは
熱運動がどれくらい激しいかを数値で表したもの。
原子や分子などの粒子の不規則な運動。
温度とは、熱運動がどれくらい激しいかを数値で表したものです。
水も空気も金属も、原子や分子は不規則で乱雑な運動をしています。
この不規則な運動が激しければ激しいほど熱くなり、このような原子や分子の不規則な運動のことを熱運動と呼びます。
冷たい水は分子の動きがゆっくりであり、温かい水は分子の動きが速くなっているというイメージですね。
熱運動がどれくらい激しいかを、私たちは温度として数字で表しています。
セルシウス温度とは
セルシウス氏が考案した温度。
1気圧のとき、水が凍る温度を0℃、水が沸騰する温度を100℃と定めた。
セルシウス温度とは、1気圧のときの水が凍る温度を0℃、水が沸騰する温度を100℃と定めた温度のことです。
セルシウス氏の考案した温度なので、セ氏と言われています。中国語でセルシウスを「摂爾修斯」と書くので、摂氏とも書きますね。
私たちが普段使っている温度でもあります。
記号はtemperatureのt、単位は[℃]です。(セルシウスは英語でCelsius)
原子や分子の熱運動が激しくなるほど温度は高くなるので、温度の上限はとてつもなく大きな数になります。
しかし、熱運動が穏やかになるほど温度が低くなるため、温度の下限は、上限と比べるとそこまで大きな数にはなりません。
鉄の溶ける温度が約1500℃、太陽の中心温度が約1600万℃など、高い温度の話は授業やテレビ等でもたまに聞くことがありますが、マイナス1500℃とか、マイナス1600万℃なんてものは聞いたことがありませんよね。
セルシウス温度が-273℃のとき、分子や原子の運動は完全に停止してしまいます。
これ以上熱運動が小さくなることはないため、-273℃より小さな温度は存在しません。
セルシウス温度の下限は-273℃なのです。
絶対温度とは
-273℃を0Kとした温度。
目盛りの幅はセルシウス温度と同じなので、セルシウス温度とちょうど273のズレがある。
$$T=t+273$$
絶対温度とは、-273℃を0Kとした温度のことです。記号はtemperatureのT、単位は[K](ケルビン)です。
目盛りの幅はセルシウス温度と同じなので、セルシウス温度とちょうど273のズレがあり、絶対温度とセルシウス温度を変換するための公式は
$$T=t+273$$
となります。
先ほど説明したように、-273℃より小さな温度は存在しません。
「-273℃より小さな温度がないのであれば、そこが本当の0なのではないか?」
という考えをしたのが絶対温度です。
物理基礎ではセルシウス温度を使うことも多いですが、物理の方では絶対温度を使う方が圧倒的に多いです。
単純に数字が273ズレているだけなので、パパっと覚えてしまいましょう。273なのでツナミって覚えておくと簡単でいいですよ。
例題
次の各問に答えなさい。
(1)27℃は何Kか。
(2)195Kは何℃か。
まとめ
熱運動が激しいほど物体の温度が上がります。
セルシウス温度は私たちが普段使っている温度のことであり、t[℃]で表します。
セルシウス温度は-273℃より低くならないので、-273℃を0Kとして考えたのが絶対温度T[K]です。
また、セルシウス温度と絶対温度は
$$T=t+273$$
で変換することができます。ツナミと覚えると楽です。