ハインリッヒの法則の正しい説明と解説

スポンサーリンク
この記事は約4分で読めます。
スポンサーリンク

リスクマネジメントとハインリッヒの法則

日本の交通事故の数はどれくらいあるかご存知でしょうか。

内閣府の交通安全白書によると「平成29年中の交通事故発生件数は47万2,165件で,これによる死者数は3,694人負傷者数は58万850人であり(死傷者数は58万4,544人),負傷者数のうち,重傷者数は3万6,895人(6.4%),軽傷者数は54万3,955人(93.6%)であった」そうです。

これが多いと見るか少ないと見るかはさておき,数字としてはこれが事実と言っても良いでしょう。

こういう事故や怪我の数の話をすると必ず出てくるのがハインリッヒの法則です。
今回は,リスクマネジメントの世界でかなり有名なハインリッヒの法則について解説していきます。


 

ハインリッヒの法則の説明でよく見かける間違いと嘘


ハインリッヒの法則を解説すると言いながら「ハインリッヒの法則の説明でよく見かける間違いと嘘」という見出しは無いだろうと思うかもしれませんが,あまりにもネット上にハインリッヒの法則の誤った解釈が広がっているのを見かけるためまずはネット上でよく見られるハインリッヒの法則の嘘の説明をします。


ハインリッヒさんはアメリカの損害保険会社に勤めていた人で,ある工場で発生した労働災害を調査し、ハインリッヒの法則というものを見出しました。


「ハインリッヒの法則」(「1:29:300の法則」とも呼ばれる)とは、労働災害の世界で有名な事故についての経験則であり,
1つの重大事故の背後には29件の軽微な事故と300件のヒヤリハット(ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な状態)があるという法則です。


どういうことかというと,300回の事故直前のヒヤリとしたことがあると,29回は軽い事故,1回は重大な事故を起こしてしまうということです。



つまり,軽い事故やヒヤリハットを起こさないことで重大な事故を回避することが可能ということであり,
ヒヤリハットが0回であれば,重大な事故も0回というわけですね。

この考え方は現在でも使われています。
日常的に事故に気を付け,少しでも不安に思えば報告し,小さなミスをしたら次は気を付けようと意識付けをしたりすると良いでしょう。

また,事故以外でもこの考え方が使われています。
大きなクレーム・苦情が1回入るということは,29回の小さなクレームが入っているということであり,300件のクレームにならなかった不満があるということです。
300件の小さな不満を減らすことで,お客様の満足度を高めていく必要がありますね。


 

るなさ
るなさ

これがネットでよく見る間違った説明です。これだけを読むと正しい気がしてきちゃいますよね。
厚生労働省のサイトには正しい説明が載っていました。さすが厚生労働省。

 

 

ハインリッヒの法則の正しい説明

ハインリッヒさんはアメリカの損害保険会社に勤めていた人で,ある工場で発生した労働災害を調査しハインリッヒの法則というものを見出しました。

そもそも「ハインリッヒの法則」には複数の法則があります。その中でも「300:29:1の法則」は、労働災害の世界で有名な事故についての経験則であり,


ある同一人物が330回事故にあったとき,300回は怪我をせず,29回は軽い怪我をし,1回は重い怪我をしてしまいます。その背後にはおそらく数千に達すると思われるだけの不安全行動と不安全状態が存在するという法則です。



ハインリッヒの法則は事故の回数を表す法則ではなく怪我の有無を表す法則です。これがインターネット上で見られる大きな誤りです。


ヒヤリハットとは「怪我がなかった」という意味であり,「事故にならなかった」という意味ではありません。



また,この法則で大事なことは1:29:300の関係性ではありません。
事故の数は対策をすることである程度コントロールすることができますが,いざ事故が起きたときにその怪我の大きさはコントロールすることができないのです。



事故が起きれば怪我をしてしまうものなので大きな怪我をした事故だけを分析しても意味がありません。300の怪我をしない事故や,その背後にある数千に達する不安全行動と不安全状態に注目し,対策を考えるべきであるという主張なのです。

その他のハインリッヒの法則


こちらは有名ではありませんが,「ハインリッヒの法則」は他にも内容があります。

事故のうち98%は回避可能であり,そのうち88%は雇用者,10%は労働環境が原因で起こってしまうものである。残りの2%はどうしても回避できない事故であり,これを88:10:2の法則と言います。



その他にも法則はあるのですが,どうして「300:29:1の法則」がこんなにも有名であり,その内容が微妙に間違って広まっているのかは私にも分かりません。
「300:29:1の法則」はキャッチーで目に入りやすいのでしょうか?
その原因は分かりませんが,物事は可能な限り正しく認識するべきですね。




参考文献

今回参考にした文献です。
もっと詳しく知りたければ,ネットで探すよりも本を読んだ方が良いと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました