「Happy birthday to you」は著作権切れしている?
誕生日のときに必ず歌う「Happy birthday to you」は米国では2015年に著作権切れしていることをご存知ですか?
といっても「Happy birthday to you」の全てが著作権切れしているわけではありません。
この曲は1893年にアメリカ人の女性により作曲されておりとっくの昔に著作権切れをしているはずだったのですが、曲ができた後に英語の歌詞が付けられたことと(作者不明)著作権を保有していた会社が楽曲の使用に対して厳しかったため著作権について長い間争っていました。
しかし、とある映画政策会社との裁判の結果2015年に「Happy birthday to you」はパブリック・ドメインとなり誰でも使えるようになりました。
なお、日本での著作権の保護期間は「作者の死後50年間」となっており(2018年からは死後70年間に変更)「Happy birthday to you」の歌詞は1999年、曲は2007年で著作権が切れています。また、日本語ver.の歌詞は2059年まで著作権が保護されます。
著作権の保護期間は何年?
日本における著作権の保護期間が何年間かご存知ですか?
皆さんの書いたイラストや曲も、永遠に著作権が保護されるわけではありません。
現在の日本における著作権の保護期間は基本的に死後70年間です。
著作権を持っている人が死んでから70年が経つと著作権は消失します。
例えば、手塚治虫さんは1989年に亡くなっているので著作権が切れるのは2059年です
個人ではなく団体が保有しているものや映画等は公表後70年間となっています。
日本は2018年12月30日に「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」というものに参加し著作権の保護期間が50年から70年に変更されました。
ただし、一度著作権切れした著作物の保護期間が延長されることはないので50年から70年に延長された時点で著作物切れしていたものは著作権の保護期間が終了しています。
例えば、江戸川乱歩や谷崎潤一郎は1966年に亡くなっているので著作権切れが50年後の2016年です。江戸川乱歩の作品を自由に読めるようになったことは記憶に新しいですよね。
三島由紀夫は1971年、川端康成は1973年に亡くなっているので著作権切れがそれぞれ2021年と2023年の予定でしたが、著作権の保護期間が50年から70年に変更されたことにより三島由紀夫と川端康成の著作権が切れる年は2041年と2043年に変わりました。
江戸川乱歩や谷崎潤一郎の著作権は一度切れてしまったため20年の延長はされません。
これが日本における著作権の保護期間の基本的な考え方です。
複雑な計算をする著作権も存在する
著作権の保護期間の話をすると必ず例として挙がるのがミッキーの著作権についてです。
著作権切れが近づくと不思議な力で法律が変わり寿命が延びることで有名なミッキーですが、日本における著作権の保護期間には色々な可能性があります。
計算がかなり複雑なので結論だけ言ますが、既に著作権が切れている可能性もあれば最大で2052年まで著作権が保護される可能性があります。
「え?ミッキーがなんでも使えるようになるってこと?」
ということではありません。
映画の映像の著作権が切れるだけなので商用利用としてはまた別の話となります。
なお、米国におけるミッキーの著作権(あくまでも最初の映画の著作権)は2023年に期限切れする予定です。
どうなるのか楽しみですね。