「首相」と「総理」の違いは何でしょうか。
2021年現在,内閣総理大臣は菅首相ですが,菅首相ではなく菅総理と言うこともありますよね。
今回は,「首相」と「総理大臣」の違いや使い分けと,「大統領」との違いについて簡単に説明していきます。
「首相」と「総理大臣」の違いと使い分け方
「首相」と「総理大臣」を簡単にいうと,「首相」は通称で「総理大臣」は略称です。
「首相」は国のトップを表す言葉で,イギリスのジョンソン首相,ドイツのメルケル首相のように,各国の長に対して使います。
古代中国では君主を助ける役割を持つ大臣を「相」と呼び,日本でも文部科学大臣のことを「文科相」,財務大臣のことを「財務相」と呼ぶなど,通称として使われています。
「相」である大臣の「主席」であることから,トップの人を「首相」と呼びます。
日本のメディアでは,文字で表すときに「首相」と書くことが慣例になっています。
一方,「総理大臣」は「内閣総理大臣」の略称です。
憲法では「内閣総理大臣」と表記されているのですが,略称として「総理」と使います。
議員が国会で呼ぶときや音声で読み上げるとき,○○総理と使うことが多いです。
「首相」と「大統領」の違い
「首相」と「大統領」の違いは,その国が「議院内閣制」と「大統領制」のどちらであるかの違いです。
日本やイギリス,ドイツ等は議院内閣制であるため,○○首相といいます。
一方,アメリカやブラジル等は大統領制であるため,○○大統領といいます。
ちなみに,ロシアは大統領が首相を指名することになっているので,大統領と首相の両方がいます。
なお,韓国やフランスにも大統領と首相の両方がいます。
直接選挙で選ばれる大統領の方が国の現状を表しているため,絶大な力を持つことが多いですね。