飛行機の中で生まれた赤ちゃんの国籍はどこの国になる?

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飛行機の中で生まれた赤ちゃんの国籍はどこの国になる?

飛行機の中で生まれた赤ちゃんの国籍はどこの国になると思いますか?

日本では日本の法律を適用することが普通ですが大使館や軍基地では日本の法律ではなく大使館や軍基地を管轄している国の法律が適用されることは皆さんご存知だと思います。

アメリカ軍基地では日本の法律が適用されないということはとても有名ですし、中学校の社会で治外法権についても学びましたね。

さて、皆さんは飛行機の中ではどの国の法律が適用されるかをご存知ですか?
今回は飛行機の中での法律についてと国籍の決まり方についての解説をします。

飛行機の中ではどの国の法律が適用されるのか?

全ての飛行機には機体記号(aircraft registration)という個別の記号が付いています。

機体記号には国籍記号と登録記号に分かれており国籍記号とは「飛行機がどの国に所属しているのか」というものを表しています。
簡単にいうと、飛行機がどこの国に所属しているのかは決まっているということですね。

また、航空会社のあるほぼ全ての国は『航空機内で行われた犯罪その他ある種の行為に関する条約(通称:東京条約)』という条約に加盟しており、飛行機の機内での法律はその機体が登録されている国の法律が適用されることになっています。

つまり、例えカナダの上空にいたとしても日本の飛行機であれば日本の法律が適用されるということであり、逆に日本の上空にいたとしてもカナダの飛行機であればカナダの法律が適用されるということです。

参考:締約国一覧(国際民間航空機関) 
参考:航空機内で行われた犯罪その他ある種の行為に関する条約(外務省)

また、複数の国の航空会社で共同運航されている国際線コードシェア便においてはどの国の保有している飛行機であるのかに着目して法律が適用されます。

国籍はどうのようにして決まるのか?

国籍の決まり方は主に出生地主義と血統主義に分けることができます。

出生地主義はアメリカやカナダで採用されている考え方で、出生地主義を採用している国では生まれがアメリカならアメリカ国籍を、生まれがカナダなら子供はカナダの国籍を取得できます。

日本人の両親がアメリカで子供を生んだとき、その子供はアメリカの国籍を取得できるというわけですね。

一方、血統主義は日本や韓国、中国、スペイン、イタリアなどの国で採用されている方式であり父親か母親のどちらかが日本人であれば子供も日本の国籍を取得できます。

血統主義の中でも父親か母親のどちらかが国籍を持っていれば子供も国籍を取得できるという父母両系血統主義、父親が国籍を持っている場合のみ子供も国籍を取得できる父系優先血統主義があります。ちなみに、日本は父母両系血統主義です。

日本人とアメリカ人との間に生まれた子供が日本で生まれた場合は日本国籍しか取得できませんが、アメリカで生まれた場合は日本国籍とアメリカ国籍の両方を取得することになります。

もし日本人と韓国人の間に生まれた子がアメリカで生まれた場合、日本と韓国とアメリカの3つの国籍を取得することになってしまいます。

なお、日本では22歳になるまで国籍を1つに選択することになっているので、重国籍の人はいつか国籍を1つに選択することになります。

飛行機の中で生まれた赤ちゃんの国籍はどこの国になる?

ここまで説明すれば、飛行機の中で生まれた赤ちゃんの国籍はどこの国になるのかある程度予測できるのではないでしょうか。

まず両親の国籍がどこであるのかが関係しています。両親が血統主義である日本や韓国、中国、スペイン、イタリアの国籍を持っていた場合は子供も同じ国籍を取得します。

次に、飛行機がどの国の所属なのかが関係します。「無国籍の削減に関する条約」を批准している国の飛行機であれば、飛行機内で生まれた子供はその国の領域内で生まれたとみなされるためカナダ等の国籍を取得することができます。

なおアメリカ等の「無国籍の削減に関する条約」に加盟していない国の飛行機では、生まれたときの飛行機の場所によって国籍が変わります。
もしアメリカ領空内で赤ちゃんが生まれた場合はアメリカ国籍を取得することになるということです。

日本で生活していると国籍の取得や選択と関わる機会が少ないかもしれませんが、世界には重国籍の子供や無国籍の子供がいます。
無国籍の子供を減らすために色々な条約や法律が存在しているのですね。

また、アメリカ国籍を取得する(アメリカの永住権を取得する)ために飛行機で出産しようとしている人がいるらしいです。

世の中たくさんの人がいますね。

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