「AIが絵を描くようになりました。」
この言葉を聞いたとき、どうせ上手くない絵を描いたり、何かと不便だったりするのかなと考えた人は多いと思います。
AIが下手な絵を作成しているのを見たときはキャッキャしてましたが、プロ並みの絵を作成しているのを見て、途端に恐ろしさを感じるようになりました。
AIが奪う仕事は単純な仕事だと思っていましたが、作曲・創作・芸術などのクリエイティブな職の方が奪われてしまうのかもしれませんね。
今回は、様々なAIが登場している中、良い意味でも悪い意味でも話題となっているイラストAIを試してみたので、感想を書こうと思います。
※コピーサイトは閉鎖されました。当然ですよね。
NovelAIとは
NovelAIとは、AIが画像や小説を自動的に生成してくれるWebサービスです。
プロンプトと呼ばれるテキストを入力するだけで画像が作成される、直感的で分かりやすい作りとなっています。
例えば「girl, upper body,twintails, pink hair,white shirt」(女の子、上半身、ツインテール、ピンクの髪、白のシャツ)と入力すると、以下のように画像を作ってくれます。
プロンプトの内容を充実させることにより、より細かく構図や表情、人数や服装を指定することが可能です。
AIを使いこなすためには最低限の英語力が必要ですね。
例えば、以下のような呪文を唱えると、下のような画像が生成されます。
4k, render, realistic, highly detailed, giant monster, Eldritch horror, abomination, army, gunfire, tanks, modern setting, skyscrapers, giant energy orb, gigantic monster, midnight, moonlight, stars, glowing embers, light particles
作成するたびに違うような画像が作られるため、同じ条件でも違う絵が生成されます。
なお、画像生成の際に画像の左下にあるSEED値と呼ばれる数値を保存することで、似たような絵を作ることも可能です。
イラストAIを用いている人は「絵師」ではなく「魔術師」
絵を描いている人のことをネット上で「絵師」と呼びますが、イラストAIを使用している人は呪文(プロンプト)を書いているだけなので「魔術師」と呼ばれています。
イラストAIを用いている人のことを絵師と呼ぶのは、絵師に対して失礼です。
ただでさえ絵師さんはイラストAIのことが大嫌いなのに、絵師じゃない人が絵師気取りするのは失礼を通り越して喧嘩売ってますね。
ただ、イラストAIを用いる方が絵を描くより簡単なのは明らかですが、イラストAIにはイラストAIなりの難しさがあります。
使ってみると分かるのですが、思ったよりも狙った絵を作るのは難しく、多くのプロンプト(呪文)を組み合わせることによってようやく狙った絵に少し近づくというのが現状です。
現在、物凄い勢いで世界中の魔術師達が新しい魔術を見つけています。
呪文を使いこなしている魔術師達の今後の活躍に期待ですね。
呪文の例を下の方にまとめてあるので、参考にしてください。
NovelAIのコピーサイトのURLと使い方
NovelAIは有料のサービスとなっているのですが、どうやら、NovelAIのサーバーがハッキングされ、中身や構成等が流出したらしく、NovelAIのコピーサイトが登場している模様。
・コピーサイトにアクセス
・「Log in」をクリックしログイン(登録の必要なし)
・「Generate Images」をクリック
をすることで簡単に使用することができます。スマホでも使用可能です。
そもそもAIは絵を学習する必要があるのですが、NovelAIは違法アップロードサイトから学習しているらしく、違法サイトから学習したものを使うのはイラストAIとは関係なしに道徳的にアウトであると私は思います。
NovelAI自体が道徳的に疑問があるのにも関わらず、そのコピーサイトがあるとか人間の道徳観終わってますね。
イラストAIの影響は?
イラストAIの登場は「絵師やイラストレーターの仕事を奪うレベルの大問題」であると各所で言われています。
画像生成AI「Midjourney」の描いた絵が美術品評会で1位を取ってしまい人間のアーティストが激怒というニュースや、「AIが生成したイラストの投稿禁止」をイラスト投稿サイトが次々に決定し始めているという話も耳にするようになりました。
イラストAIで作った画像を「自分が描いた絵」として投稿することは大きな問題です。
血の滲むような思いをして努力して描いている絵を、何の努力もしてない人間が簡単に描けるようになってしまう。
絵師達が心理的に拒否反応を起こして当然ですね。
イラストAIが登場してきた今、仕事として生き残ることのできる絵師は「圧倒的な技術力を持っている人」か「ブランド力のある人」に限られるのではないかと私は思います。
イラストAIの登場は「いらすとや」の登場と似ています。
いらすとやがフリー画像をたくさん提供し、多くの企業や機関がいらすとやの画像を使うようになり、元々企業や機関から発注を受けていた人たちの仕事は奪われました。
AIが全ての絵師の仕事を奪うとは思いませんが、有名じゃない人・一定の水準に達していないレベルの人の仕事は奪ってもおかしくありません。
イラストAIが普及した先に仕事として生き残れる絵師は、
「AIに描いてもらうより、この人に描いてもらった方が凄いね」
と思われるような技術力のある人か、
「あなたが書いてくれるだけで価値があります…!」
と思われるほど、人気のある人(ブランド力のある人)だと思います。
呪文紹介
基本的な呪文はwikiを見ると一番分かりやすいです。
ここでは、多くの呪文を組み合わせて生成した例を紹介します。
呪文紹介 その1
beautiful mature female, 1885 Victorian dress with {{{bustle}}}, hair bun, lips, garden, sunlight, {{{{{{{{detailed}}}}}}}}, {{{{{{{{by Steve Henderson}}}}}}}}, {{{{{{{{by Paul Hedley}}}}}}}}, {{{{{{{{by Andrew Atroshenko}}}}}}}}
呪文紹介 その2
at{focus at {focus at 1boy, knight, muscular, wearing ({{black}}) armour, holding sword, holding sword hilt, dynamic pose, incoming attack, protective, legendary, under attack, powerful} {nighttime, {{oil painting (medium)}}, medieval era, attack, chaos, destruction, apocalypse, realistic} {burning castle, falling, medieval, old, burning, broken, apocalypse, debris} {battering ram, battle, assault, weapon, hitting} {catapult, battle, assault, throwing, evil, weapon, hitting} {army, attacking, dynamic pose, battle, war, evil, incoming attack, all-out attack} by Cecil Langley Doughty
呪文紹介 その3
{{Realistic}}, {{intricate detail}}, {{highly detailed skin}}, {{close up shot}}, light particles, {{{{1girl, Japanese, Asian}}}, {{{shoulder length parted hair}}}, {brown hair}, glossy hair, {{{{{extremely detailed narrow blue Asian eyes}}}}}, {{{{black clothes}}}}, staring at viewer, happy, soft smile, slight smile, slightly blushing, bloom, {{dark rainy night}},
呪文紹介 その4
1boy, solo, {{realistic}}, very long hair, white hair, gray eyes, hair between eyes, sidelocks, muscular male, sunset, beach, star (sky), horizon, orange sky, purple sky, gradient sky, sparkle, red sky, male focus, lens flare, bishounen, smile, mountain, looking at viewer, barefoot, waves, standing, shorts. lighthouse, wading, white shirt, long sleeves, closed mouth, yellow sky, diffraction spikes, wet, wind, off shoulder, open clothes, floating hair. dutch angle, from above, jacket, see-through, long jacket, colored eyelashes, blue jacket, straight hair, cowboy shot, lighting, purple eyes, mature man
呪文紹介 その5
girl, indoors, detached sleeves, wide sleeves, plants, earring, detached collar, hair ornament, 1girl, light shafts, hair intakes, medium breasts, flush, window, expressionless, dynamic pose, good lighting, floating hair, detailed background, {light particles}, beautiful, botanical garden, silver hair, atmosphere, from behind, raindrops, hair flower, wavy hair, white orchid, looking at window, floating
まとめ
イラストAIは想像以上に進歩しており、誰でも簡単に絵を作成することが可能になりました。
急激な進歩のせいかルールの整備が追いついておらず、あちこちで議論が活発に行われています。
イラストAIという技術を使いこなしていこうと考える人もいれば、努力せず絵を作成できることに嫌悪感を抱く人もいますし、イラストAIで作成した絵を投稿サイトに載せたり、違法アップロードされた画像を使って学習するAIが登場したりと、道徳的・倫理的にも怪しい現象が起きています。
イラストAIはオリジナリティや独創性が無いと主張する人もいますが、総当たり的に作成されたイラストが独創的に見えるのであれば、それはもう実質独創的と判断しても良いのではないでしょうか。
今後、どのようにルールが作られていくのか、怖くもあり、楽しみでもありますね。