皆さんは、セクシャルマイノリティについて、どこまで考えたことがありますか。
LGBTという言葉を当然ご存知であるとは思いますが、LGBTは普通ではなくヘテロセクシュアル(異性愛者)が普通なのでしょうか。
今回は、セクシャルマイノリティを通して普通とは何かについて考えていきます。
マジョリティとマイノリティ
あなたは目玉焼きに何をかけますか?
目玉焼きにかけるものとしては、醤油、塩やコショウ、ソース、ケチャップ、マヨネーズ等の様々な選択肢があります。
LINEリサーチによると、日本では約半数の人が目玉焼きに醤油をかけ、ケチャップをかける人は約3%であるという結果が出ています。
マジョリティ(majority)は「多数派」、マイノリティ(minority)は「少数派」という意味であり、目玉焼きに醤油をかける人はマジョリティ、ケチャップをかける人はマイノリティであるといえるでしょう。
マジョリティとマイノリティは、日常でもよく使う言葉なので、なんとなく意味は知っていますよね。
マジョリティとマイノリティを考えるときに気を付けなければならないのは、目玉焼きについてはマイノリティですが、他のことについてはマジョリティかもしれないという点です。
ある面ではマイノリティでも、他の面ではマジョリティかもしれません。
マイノリティの人の考えは無視されてしまうことが多く、マジョリティの立場で考えることが「普通」とされてしまうことが多々あります。
多数派である目玉焼きに醤油をかける人は、目玉焼きに醤油をかけることが普通だと思ってしまうのです。
しかし、目玉焼きに塩やコショウ、ケチャップをかける人のことを知ることで、醤油をかけることが当たり前ではないということに気付くことができます。
様々なことについて、マイノリティの人は確実にいます。どんなものにおいても、マジョリティの人もいればマイノリティの人もいるのです。
絶対的な答えはありません。物事を多角的に捉えましょう。
セクシャルマイノリティとは
セクシャルマイノリティとは、その名の通り、性的にマイノリティの人のことをいいます。
セクシャルマイノリティの代表例として、LGBTという言葉をよく使います。
L レズビアン(lesbian) 女性の同性愛者
G ゲイ(gay) 男性の同性愛者
B バイセクシュアル(bisexual) 両性愛者
T トランスジェンダー(transgender) 「身体の性」と「心の性」が一致せず、違和感を抱く人
LGBTについての説明は法務省のページにわかりやすくまとまっているので、そちらのページを見るのも良いでしょう。
LGBTという言葉を使うときは、セクシャルマイノリティはLGBTで全部ではないということに気を付けましょう。
LGBTはあくまでもセクシャルマイノリティの代表例であり、全てのセクシャルマイノリティの人がLGBTに当てはまるわけではありません。
セクシュアリティ(性のあり方)は以下の4つの軸で考えます。
心の性(性自認) …自分の性別に対する認識
身体の性(生物学的性)…性器や染色体など
好きになる性(性的志向)…性愛の対象
表現する性(性表現)…言葉遣いや服装、振る舞い等
セクシュアリティは、点と点のように非連続的で決まったものではなく、グラデーションのように連続的に存在しているのです。
普通とはなにか
アインシュタインは「常識」についてこんな言葉を残していますが、「普通」とは一体何なのでしょうか。
「普通」とは、広くありふれたもののことであり、マジョリティの立場から考えたものとして使われることが多く、「普通」を考えるとき、マイノリティの立場にある人のことは忘れられてしまいがちです。
世の中にはマイノリティの人たちも存在しており、マジョリティの立場だけで考えてしまうと気が付くことのできない視点もあります。
マジョリティとマイノリティの両方の立場から考えて、物事を多面的に捉えられるような人が「普通」になる日が来ることを願います。
LGBTと普通については、今この瞬間も様々な場所で議論になっています。
自分なりの考えをしっかりとまとめたい人は、きちんと本を読むことをオススメします。