満潮と干潮はなぜ起こるのか 潮汐の仕組み

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満潮と干潮を実際に肌で感じたこと、実際に見たことはありますか?

海の近くに住んでる人や、釣りやサーフィン等で海によく行く人は、満潮と干潮をよく体験していると思います。

今回は「満潮と干潮」について解説をしていきたいと思います。

満潮と干潮

海の高さは一定ではありません。
地球温暖化によって海面が上がってきているという話ではなく、「満潮」と「干潮」によって1日2回海面が高くなり、1日2回海面が低くなります。


満潮と干潮の潮位の差のことを干満差というのですが、カナダのファンディ湾では干満差が15mにも及び、東京湾でも最大2m程度にも及びます。


干満差が15mというのは凄そうですが、東京湾の干満差2mというのは見てみないとよく分からないですよね。具体的な満潮と干潮の例として、厳島神社の写真を見てみましょう。

満潮の厳島神社干潮の厳島神社
満潮と干潮の厳島神社

ひろしま観光ナビ

厳島神社の干満差も最大2m程度であり、その差は写真を見るとよく分かります。干満差2mというのはこの写真くらいの差というイメージで大丈夫です。

ただし、干満差は常に一定ではないので、干満差が1m程度しかない日もあれば2m程度の日もあります。厳島神社では、干潮であったとしても潮位が低くないときは鳥居まで歩いていけません。


一体なぜ満潮と干潮という現象が起こるのでしょうか?


満潮と干潮の仕組み

満潮と干潮の仕組み 簡単な説明

かいしー先生
満潮と干潮ってどうして起きるの?

 

男の子
月の引力が…………
 

 

「満潮と干潮ってどうして起こるの?」と聞くと「月の引力で……」と答える人が多いです。

実際に月の引力が関係しているのですが、月の引力がどう関係してるのかについては、よく分からない人が多いようです。



「なんとなく分かればいいや」という人のために、まずは大雑把な説明をします。

満潮と干潮の仕組み



まず、地球の自転の影響で月は地球の周りを周っているように見えます。(単純に、月は地球の周りを周っていると考えます)


月が地球の真上にあるとき、月側にある海は月の引力によって引っ張られます。これが、ものすごく簡単に考えたときの満潮の仕組みです。


なぜ月の反対側でも満潮になるのか

月の引力によって満月になるとき、月の反対側でも満潮となります。(月側でも反対側でもない横側の地点では干潮となります。)

月側と月の反対側で満潮となるので、満潮は1日に2回起こるというわけです。(干潮も1日に2回起こります)


月側が満潮になるのは「月の引力により海水が引っ張られるから」ということで直感的に納得しやすいですが、月の反対側も満潮になるのは直感的に理解しにくいですよね。

なぜ月の反対側でも満潮なのでしょうか?

 

地球と月の共通重心


皆さんは「公転」というと太陽の周りを地球が周っているというイメージを持っていると思いますが、地球も月の影響で公転をします。地球と月が二重惑星というわけではなく、公転というより単なる軌道運動なのですが、ここでは「小さな公転」と呼ぶことにします。

「小さな公転」では、地球と月の共通重心を中心として軌道運動をします。

 
月の質量を$$7.34 ×10^{22} kg$$
地球の質量を $$5.97 × 10^{24} kg$$
月と地球距離を$$384,400 km $$

とすると、その共通重心は地球の中心から約4,650kmの距離の地点にあり、地球の半径の約4分の3倍の長さとなります。この共通重心を中心に地球は「小さな公転」をしています。

なお、地球、月、共通重心は常に一直線上にあり、地球上の各点は「小さな公転」により同じ大きさの遠心力を受けます。

イメージとして、この図のような運動をします。

第五管区海上保安本部海洋情報部

このように「小さな公転」をすることで、地球全体に月と反対側の遠心力が発生します

地球のどの部分でも同じ大きさの円運動をしているので、遠心力の大きさは全て同じになります。

 

満潮と干潮の仕組み_遠心力

月の引力は、地球の反対側では小さくなるので、月の引力と遠心力との合力を考えると月の反対側でも満潮になるということが直感的に理解できると思います。

満潮と干潮の仕組み

※力の矢印の大きさは、あくまでもイメージです。

上の画像を見て分かる通り、月側では月の引力が大きく、月の反対側では遠心力の方が大きくなるため、この2つは満潮となります。

大潮と小潮の仕組み

潮汐には大潮(おおしお)と小潮(こしお)というものがあります。(こういう漢字の読み方って分かりにくいですよね)

大潮と小潮の仕組み
大潮と小潮の仕組み

潮汐には月の引力が関係していると説明しましたが、月だけではなく太陽の引力の影響も関係しています。


地球ー月ー太陽と一直線上にあるとき(満月、新月のとき)、月の引力だけではなく太陽の引力の影響も受けるので、満潮の中でも潮汐の大きい大潮となります。


一方、地球から見た月と太陽の位置の方向が90°異なるとき、月と太陽の引力は別々の方からはたらくため、満潮の中でも潮汐の小さい小潮になります。


月の公転周期は約29.5日であるため、1週間ちょっとで大潮→小潮と変化します。
このような理由から、満潮や干潮の潮位は毎日少しずつ変化しています。



Surf life

毎日の潮位はこちらのサイトで確認することができます。近くの海がどうなっているのか、見てみるのも面白いかもしれないですね。




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