こちらの記事で紹介した『〈わたし〉はどこにあるのか ガザニガ脳科学講義』にあった面白い実験について、忘備録代わりとして簡単に紹介したいと思います。
何度も繰り返し同じことに挑戦する場合(ゲームやパチンコ等)に便利な考え方なので、知ると楽しいって思えるかもしれません!
蓋然性とは
ある物事が実現されるかどうかの確からしさ
蓋然性とは、ある物事が実現されるかどうかの確からしさのことをいいます。
普段聞かない言葉なので難しく感じますが、蓋然性を簡単にいうと可能性のようなイメージです。
「あの野球選手はホームランを打つ可能性は低い」
→個人的に、あの野球選手はホームラン打たないだろうなぁと思う
「あの野球選手はホームランを打つ蓋然性は低い」
→客観的に見て、野球選手がホームランを打つとは考えられない
可能性と蓋然性は、上記のように意味合いが少し異なります。
そもそも、可能性は「ある/ない」もので、可能性が「高い/低い」と使うのはおかしいのですが、その辺りは本題と関係ないので割愛します。
とりあえず、蓋然性は可能性のようなイメージだと思っておけばOKです。
蓋然性予想実験
80%で線の上が光り、20%で線の下が光る装置があるとしましょう。
上と下、次にどちらが光るかどうかを当てるとき、なんと、人間よりもネズミの方が的中率が高いのです。
上と下、次にどちらが光るかを予想するとき、ネズミは過去に最も多く起こった方を常に選ぶので、ネズミは常に上を選び、10回中8回も予想を的中することができます。
しかし人間は、上を選ぶ回数が8割、下を選ぶ回数が2割のように予想してしまうため、結果的中率が約67%になってしまいます。
上のような問題で確率を予想し賭けをするとき、人間はネズミに勝てないのです。
つまり、ラスベガスでカジノをするとき、ネズミと勝負すると人間は負けます。
頻度整合
蓋然性予想実験をより理解しやすくするため、上の図のような問題を考えます。
袋からランダムに1つの球を取り出すとき、赤と黒、どちらの球を引くと予想しますか?
もちろん黒を選ぶ人が多いと思いますが、引いた球を袋に戻して何度も袋から球を取り出すとき、「そろそろ赤が来るかもしれないな~」と予想してしまう人もいるのではないでしょうか?
上にも書いたように、ネズミは過去に最も多かったものを常に選ぶので、常に黒を選ぶと考えられます。
しかし、人間は、「黒を予想する確率が7割、赤を予想する確率が3割」にしてしまうため、結果、的中率が低くなってしまうのです。
このようなものを頻度整合といい、4歳の頃から発達すると言われています。
「確率は収束するのだから、途中で赤を予測するのは普通」
→収束するのは何千・何万回繰り返す場合なので、数十回程度では影響は限りなく小さい
→例え何万回引いたとしても、全部黒に予想しておけば7割は当たり、感覚を信じるよりも的中率は高い
蓋然性予想実験について、テキトーですが「8割は上で光る、2割は下で光る」gifアニメーションを作成したので、テキトーに停止させたときにどちらが光っているか予想してみてください。
全部上に賭ければ8割正解、予想しようとすれば的中率ダウンです。
蓋然性予測問題
上が黄色になる確率80%
下が黄色になる確率20% pic.twitter.com/htSMHfKq5Y— かいしー@勉強垢 (@Lunasa_net) July 16, 2022
常に蓋然性の高い方に賭けろ
ここからは私自信の考えです。
何か物事を予想するとき、蓋然性の高い方に賭けるように生きるのが賢い生き方なのではないでしょうか?
人生に選択肢はたくさんありますが、上手くいく蓋然性の高い選択肢もあれば、成功する蓋然性の低い選択肢もあります。
ジャニーズ、アイドル、YouTuber、プロスポーツ選手、声優…憧れる職業は大体ブラックか、成功する可能性があまりない職業です。
もちろん、突出した才能や環境を持っていて、上記の職業に高い適性のある人もいます。
しかし、職業選択の自由があるのは当たり前ですが、自分に合うもの・合わないものがあるのも当たり前なのではないでしょうか。
「自分に合うもので我慢しろ!」というと前時代的な考えのような気もしますが、自分に合うような、上手くいく蓋然性の高いものを選び続けることが、人生上手く生きていくコツなのではないかと思います。
本音
ポケモンユナイトではサンダーを取った方が7~9割の確率で勝つんだから、サンダー取れるような動きをしろよぉ!!
第五人格では、救出キャラがいないと勝てる確率が下がるんだから、誰か傭兵とか空軍とか使えよぉ!!
蓋然性の高い方を選ぶような動きをしろ!!!…はい。