自分では正しい理論を展開しているつもりなのに中身はどう見てもこじつけている人、皆さんの周りに該当する人はいますか?
ほとんどの場合、あなたが正しいと思っていることは勘違いであり、あなたの考えたこじつけが周りの人のストレスの原因となっています。
自分が論理的に全く正しくない発言をしていることを自覚し、自分がこじつけているだけの生き物であることを思い知ってください。
今回は、人間はこじつけをする生き物であることを説明していきます。
こじつけの例
まず、こじつけの例を具体的に挙げていきたいと思います。
- あの人って〇〇だからダメだよね。
⇒ お前の見る目が無いだけ。 - インターネットが人間関係をダメにする。
⇒ 本当にインターネットが原因なのか?根拠は? - 分かりやすい授業は苦手な人向けの授業なので、難関大学には通用しない。
⇒ 分かりやすい=苦手な人向け、とは限らないでしょ。 - イルカが打ち上げられているのは地震の前兆だ。
⇒ 因果関係どころか相関関係も認められない、こじつけの典型例。 - トレンドワードをなんでも政治にこじつける。…(例)「それが戦後サヨク教育の結果だよ。」
⇒ もはや怖い。 - 選挙に行きたいけど眠いから行けない。
⇒ 眠いからではなく、興味ないから・意義を感じてないから等が理由では? - 鬼滅の刃という鬼を狩る作品の映画がブームとなった。緊縮財政を推進する財務省も、日本を脅かす鬼のようなものではないだろうか。
⇒ 良く言えば例え話、悪く言えばこじつけ。鬼滅の刃と財務省は関係ない。 - あの子は捻くれてるよ、だって母子家庭だから。
⇒ 母子家庭が直接的な原因だと本当に思っているの?まじ?
このような内容が”こじつけ”なのではないでしょうか。
他にも「こんなこじつけがあるよ!」と思いつく方は、コメントかDMで教えてもらえるとありがたいです。
こじつける理由
人間がこじつけてしまう理由として、私はマイケル・S・ガザニガのインタープリターモジュール説を推します。
インタープリターモジュール説とは、脳には「なんでも解釈して物語としてでっちあげげてしまうという性質」があるという説です。
こちらの記事でも紹介しましたが、同じ図を使ってインタープリターモジュールについて簡単に説明します。
インタープリターモジュールの説明
分離脳患者という、右脳と左脳の接続が切れている患者に以下のような実験をしました。
実験①
分離脳患者の右視野(左脳)にニワトリの足の絵、左視野(右脳)に雪景色の絵を見せます。
次に、左右両方の視野に色々な絵を見せ、前に見た絵と関連するものを選んでもらいます。
すると、左手(右脳)はショベルの絵を、右手(左脳)はニワトリの絵を選びました。
しかし、どうして鶏とショベルを選んだのかを聞くと
と即答したのです。
つまり、左脳はなぜ左手がショベルを選んだのか分からないにもかかわらず、無理やり理由を考えて答えたのです。
実験②
右視野(左脳)に「音楽」、左視野(右脳)に「鐘」という言葉を見せ、左手(右脳)に関連する絵を選んでもらうという実験をすると、鐘の絵を選ぶという結果になりました。
と聞けば、「鐘という言葉が見えたから」と答えるのが普通です。
「私が最後に聴いた音楽は、すぐ外で鳴っていた鐘だったんです。だから鐘を選びました。」
と答えてしまうのです。
実験③
2つの単語を左右それぞれの視野に見せ、左手で絵を描かせると赤色でバナナの絵を描きました。
左脳は赤という単語を見ているので赤を選ぶのは問題ないですが、左脳はバナナという単語を見ていないのでバナナを描いた理由は分からないはずです。
しかし、なぜバナナを描いたのかを聞くと、
「こっちの手でいちばん描きやすいからです」と答えました。
つまり何が言いたいのか
①~③の実験から分かること
①~③の実験から分かることは
本当は分からないにもかかわらず、左脳が無理やり話を作り説明しているということ
です。
「森の中を歩いていたら茂みがカサカサ揺れたので、蛇かと思い警戒した。」
⇒蛇かと思って警戒したのではなく、反射的に「ビクッ」っとなっただけ。後付けで理由を考えているだけ。
私たちは出来事を後付けで説明しようとする脳のはたらきがあるので、物事が起こったときに「分からない」ではなく「〇〇だから」と説明しようとしてしまいます。こじつけてしまう理由です。
「分からない」ことを分からないと答えず、「それっぽい理由を考えてしまう」ことが人間の本能であり、世の中の頭の悪い人たちは、「分からないことを分からない」と言える機能が弱いため、独自の理論を生み出しこじつけをしてしまいます。
実際、ちょっと頭の良い人であれば、「これは自分が勝手にそう思っているだけだな」と自覚することができています。
よく考えてみてください。あなたの考え方はただのこじつけであり、全然正しくもなんともないのではないでしょうか?
無理やり自分の変な考えを出さす、分からないことは素直に分からないと言いましょう!!!!!!(※子供は除く)
日常での例
このような現象は、私たちの日常生活にもよく現れます。
熱い鉄板に手が触れてしまったとき
とわざわざ考えません。意識せず(反射的に)手を離したと言えるでしょう。
しかし、
と聞かれたら
と答えるのではないでしょうか?
本当は「反射的に体が勝手に手を離した」にもかかわらず、あたかも「自分の意志で手を離した」かのように答えてしまうのです。
後付けで説明しようとする脳のはたらきであり、人間がこじつけをしてしまう補足でした。
こじつける理由をこじつける
どうしてこじつけてしまうのか、その理由は上で述べた通りだと私は思っていますが、こじつける理由をこじつけて考えてみようと思います。
まず、人間には、誰しも自分が「常識」であり、真実や善悪の判定者であるかのように振る舞う習性があります。
自分が間違っていると欠片も思っていないため、自分の考えを堂々と周りの人に発信していきます。
子供であれば周りにいる大人が「それは間違っているよ」と教えてくれますが、頭の悪い大人は注意をしても治りそうにないなと周りから思われているため注意されず、どんどん間違った方向に自分の考えを進めていきます。
また、類は友を呼ぶではありませんが、同レベルの仲間を見つけて会話をすることで共鳴し、こじつけがこじつけを呼ぶ状況を作り出してしまいます。
人間はどんな物事であろうと何かとこじつけてしまうので、現実を正しく把握できないどころか、自分の考えが絶対的に正しいと信じながら間違った理由付けをしてしまうのではないでしょうか。
まとめ
ネットでも現実でも、あまりにも”こじつけ”をする人を多く目撃するため、心のどこかで、なんで皆めちゃくちゃな理論展開をするのかと不思議に思ってました。
インタープリターモジュー説は人間がこじつけてしまうことを上手く示した説であるため、人が何事もこじつけてしまう理由として納得の説だと私は思います。
なお、人間は大なり小なりこじつけを行う生き物であるということが私の持論であるため、私もこじつけをして生きています。
可能な限りこじつけを行わず、論理的にデータや理論に則って物事を考えたいと常日頃から思っていますが、この記事自体もこじつけが満載です。
ただ、最後にもう一言言わせてください。
分からないのなら、素直に分からないと言え!