死とは一体何か?その定義とは

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死とは一体何か?その定義とは何でしょうか。

皆さんは死んだ人間を見たことがありますか?
私は人が死ぬ瞬間を見たことがあります。少し前までは確かに生きていたはずなのに今は死んでいる、そのときのことは一生忘れないでしょう。

「死」は共通であり誰も逃れることはできません。

そんな「死」ですが、「死」とは何かを言うことはできますか?「死」とはどういう状態であると思いますか?

もし、小さい子供に「死ぬってどういうこと~?」と聞かれたら困ってしまいますよね。

かいしー先生
僕調べによると、「心臓が止まったら””死んだ””」と思う人が多いようです

今回は「死」とは何かについて説明していこうと思います。

心臓が止まったら「死」なのか?

死とは一体何か?その定義とは「死」と言えば心臓が止まった状態を想像する人が多いと思います。
医療系や警察・探偵系のドラマの影響でしょうか?一度はどういう場面を見たことがあると思います。

心臓の役割は全身に血液を送ることです。もし、心臓が止まった後も全身へ血液を送ることができれば心臓以外の臓器はまだ生きていられます。

全身へ血液を送れなかったとしても、心臓が止まった後に残った血液や酸素を使うことで他の臓器は数分間活動を続けることができます。

実際、人間の脳は心臓が止まった後も5分程”生きて”いられることが分かっています。(Does a Dying Brain Mean Death? Some Cellular Changes May Be Reversible, New Evidence Shows)

心臓が止まった瞬間に全身の活動が停止し元に戻らないのであれば、心肺停止状態になった人はもう元に戻ることができないということになってしまいますよね。

死の三徴候とは

死の三徴候とは「心臓停止」「呼吸停止」「脳機能停止(瞳孔拡大)」のことを言います。
20世紀ではこの3つが同時に認められたとき、「死」とされていました。

しかし、人工呼吸器の発達により呼吸を続けられるようになり、脳死という考え方により脳機能停止が死とは限らなくなってきました。

明らかに死の三徴候が揃っており時間が経っていれば「死」の状態なのですが、死の三徴候が揃った瞬間に「死」が訪れたというわけではないのです。

脳死は「死」なのか?

脳全体が働かなくなってしまった状態のことを「脳死」と言います。
脳死を判定するためには

  • 痛みに反応しない
  • 瞳孔が動かない
  • 反射がない(光を当てても瞳孔が小さくならない、のどを刺激しても咳をしない等)
  • 脳波が平坦
  • 自発的に呼吸をしない

等を確認します。
ここら辺は国によって異なります。そもそも脳死を脳全体の死と考えない国もあります。


脳死の状態であり自発的に呼吸を行えなくてもあっても、心臓さえ動いていれば人工呼吸器を使うことにより全身へ血液を送ることができます。

つまり、脳全体が動かなくなってしまっても全身の細胞や臓器を動かすことができるのです。


欧米を始めとする数多くの国が「脳死は人の死」としています。
脳は死んでも臓器が死んだわけではないため、脳死状態の人から臓器を取り出し他に人に移植することが可能です。

日本では臓器を提供する意思がある場合に限って「脳死を人の死」としています。

本来、臓器提供をする意思があるかどうかで「死」を決めるべきではないのですが、脳死を人の死として受け入れられない人のことも考えているのでしょう。感情論も大切ということです。

ここでも、「死」とは何かが曖昧ですね。

植物状態とは何か


脳死と同じような状態に植物状態というものがあります。
植物状態とは大脳が働かなくなってしまった状態のことを言います。


脳死とは違い脳幹は働いているので、自発的に呼吸をすることができ、回復する可能性があります。
植物状態になってから半年以内であれば目覚めるケースも多々あるのですが、時間が経てば経つほど目覚める可能性は低くなります。

10年以上意識が戻らなかったのに回復したというケースもあるにはあるのですが、それは奇跡と言ってもいいでしょうね。


自発的に呼吸をすることが多いことと回復する可能性があることから、植物状態は「死」とは全然違う状態であると言えます。


植物状態の人間の生命維持を停止することを尊厳死と言います。
倫理的に難しい問題であるため、認める国もあれば認めていない国もあるという状態です。
ちなみに、日本では尊厳死は認められていません。
植物状態のまま生きるか尊厳死か、どちらがいいかは分かりませんね。


死の定義とは

結局、死の定義とは何なのでしょうか?

科学的に「生」と「死」の境目は未だに定まっていません。

ここまでは「生」ここからは「死」、のように明確に線引きすることは現代ではまだできておらず、「生」と「死」の境目は人間の都合で決めています。

国によっては脳死を死と扱うこともあれば、脳死が確認されて数時間が経たないと「死」と認めないこともあり、生まれたての赤ちゃんには違う基準を設けていることもあります。
胎内の受精卵がいつ「人」になるのかということも分かっていなければ、人はどの瞬間に死んだことになるのかも分かっていないのです。

今はまだ科学の視点による「死」の明確な定義や境目はまだ分かっていませんが、いつの日か解き明かされることを楽しみにしています。

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