ラブジョイの法則とは何か?ザ・シンプソンズから学ぶ同情論証「子供がかわいそうだと思わないのか?」という詭弁

ラブジョイの法則とは何か?ザ・シンプソンズから学ぶ同情論証「子供がかわいそうだと思わないのか?」という詭弁
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ラブジョイの法則とは、「子供たちのことを考えなよ」という言葉を使って感情的な同情や共感を利用して議論を有利に進めようとする詭弁・論理的誤謬です。

「子供たちのことを考えろ」という言葉が論理的ではなく感情に訴えかける同情論証であることは知られていましたが、『ザ・シンプソンズ』に登場するジェシカ・ラブジョイが「子供たちのことを考えて!」という台詞をよく使うことからラブジョイの法則として定着しました。

今回は、ラブジョイの法則、「子供たちのことを考えなよ」という論証について説明していきたいと思います。

ラブジョイの法則は同情論証

ラブジョイの法則とは「子供たちのことを考えなよ」という言葉を使って感情に訴えることで同情論証の典型例です。

子供たちの笑顔を守るためにも、地球への汚染を止める必要があります!
このままだと地球は壊滅的な状態になり、私たちの子供たちが呼吸できる空気や飲む水がなくなるかもしれません!

この国の教育制度は崩壊しています!もっと教育に予算を割くべきです!
予算を少なくするということは、子供たちの未来を台無しにしているということではないですか?

このような例が同情論証、特にラブジョイの法則になります。

「子供のために」という正義を利用することで、論理的ではないのに関わらず自分が正しいという印象を与えようとする詭弁なのです。

このように、同情論証とは感情的な共感や同情を利用してある主張や意見を支持しようとする議論の手法であり、相手の感情に訴えることで心を動かし自分の主張を受け入れてもらおうとします。

同情論証は多くの場合で論理的な根拠や証拠を示さず非論理的になってしまうため、論理的誤謬や詭弁に陥ることがほとんどです。

子供たちのことを考えると、こうした方が良いですよね?
(あー、同情論証が始まったよ…。)

議論で同情論証を使うのは理性の放棄である

議論の場で「子供たちのことを考えろ」という言葉を使うのは理性を放棄する行為です。

無意識だろうが意識的だろうが、同情論証を用いることは、論理的な会話ができない・論理的な議論を拒否したいがために感情だけで議論を進めようとしているだけではないでしょうか。

同情論証のような感情的な議論では、客観的な視点や論理性が失われ、論理的誤謬に陥り誤った結論を導く可能性があります。

あくまで理性的に・論理的に議論を行い、より良い結論を導きたいのであれば、同情論証を避けて議論をするべきです。

もちろん、感情に訴えかけることで人々の心を動かし重要な問題に対する理解や共感を広がることもあるため、感情に訴えかけること自体は悪いことではありません。

しかし、同情論証はまず間違いなく詭弁・論理的誤謬になるため、感情に訴えかけることはあっても同情論証をすることは止めましょう。

「あんなに頑張ってる人を疑うのは止めようよ」
みたいなのが同情論証

敢えてラブジョイの法則を使う人たちがいる

善意で「子供たちのことを考えてよ!」と言う人は純粋に無知なだけの可愛い人です。

恐ろしいのは、「子供たちのことを考えなよ」という言葉が多くの人に効く(反論できないようになる)ことを知ってて使う人たちです。

議論にある程度慣れると議論の主導権を握るための方法も感覚で分かってきて、どういう論法を使うと効果的に議論を進めることができるのか分かるようになります。

議論慣れした人同士の会話だと、「子供たちのことを考えなよ」という言葉を使っても「同情論証やめなよ」って言われてしまうため議論を思った通りに進めることはできませんが、議論に慣れていない・同情論証という言葉を知らない人に「子供たちのことを考えなよ」という言葉を使うのは効果的です。

一番よく見かけるのが「表現の自由に関する議論」ですね。

「子供たちのことを考えようよ」が同情論証と知ってて、敢えて民衆を煽る・共感を得るために使ってる人たちがいます。世の中ってそういうもんなのかもしれませんね。

同情論証に惑わされないようにしよう!

まとめ

ラブジョイの法則は、感情的な同情や共感を利用して議論を有利に進めようとする論理的誤謬の一つです。

この手法では「子供たちのことを考えなよ」という言葉を使って感情に訴えることで自分の主張を支持しようとします。

世の中には、敢えて同情論証を利用して議論の主導権を握ろうとする人たちがいます。

感情は大切ですが、感情を利用して騙してくる人たちに気を付けましょう!

ラブジョイの法則とは何か?ザ・シンプソンズから学ぶ同情論証「子供がかわいそうだと思わないのか?」という詭弁

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