『子どもたちに民主主義を教えよう』は教員が読むべき一冊だった

子どもたちに民主主義を教えよう
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こんにちは!かいしーです!

かいしー読書部では、私が読んだ本を紹介していきます!

勉強したい、良い知識を身に付けたいという想いから選んだ本を紹介!

今回紹介するのは、『子どもたちに民主主義を教えよう』です!

教育業界では有名な麴町中の元校長先生の書籍です。

同校は、公立校教員などを経て2014年に就任した工藤勇一校長(現・横浜創英中学・高校校長)が「子どもの自主性を伸ばす」などとして、改革を実行。宿題や定期試験、固定した学級担任制などを廃止し、制服(標準服)や体操着も「着用自由」で一部私服も導入した。学校現場の長年の慣習を大胆に変える取り組みは全国的に注目され、工藤氏は、政府の教育再生実行会議の委員にも選ばれた。

だが、複数の関係者によると、同校は今年7月にあった区内の小学5、6年生と保護者向けの学校説明会で、「まだ決定ではない」としつつ、定期試験の実施、学級担任制の導入、指定の制服・体操着の着用などを進める方向で検討していることを明らかにした。

「定期試験なし」の千代田区・麴町中、改革転換を検討 保護者に波紋

定期試験を廃止したりビックリするような改革を行っていた麴町中ですが、定期試験が復活するかもしれないんですね。

まぁ、退任してもう3,4年くらい経ってますし、麴町中の先生が色々と議論をしているんでしょうね。

教師をしていると麴町中のことはどうしても耳に入ってくるので、その人の本だと思うと読みたくなりますね。

『子どもたちに民主主義を教えよう』|概要・著者紹介

概要

「教育の役割とは何か?」
「学校は何のためにあるか?」

学校改革の旗手と教育の本質を問い続けてきた哲学者・教育学者が
教育の本質を徹底議論! 究極の目的は「民主主義」教育だった。

ーー「多数決で決めよう」のどこに問題があるか、わかりますか?

「誰一人置き去りにしない」を教えるはずの教室で
平然と少数派を切り捨て、
一度決めたことには従え! と「従順な子」をつくる教育がおこなわれている。

未来の社会をつくる子どもたちに本当に伝えるべきことは、
対立を乗り越え、合意形成に至るプロセスを経験させることではないか。
学校で起きるトラブルこそが絶好の学び場であるはず……

本書は、子どもたちの「対話の力」を重視し、
学校で民主的な力をいかに育むかを提案する実践的教育書だ。

民主主義の考え方を広めていくことで
当事者意識が低い「日本社会」をアップデートする、
著者二人のつよい覚悟を持って書かれた。

いじめ、理不尽な校則、不登校、体罰、
心の教育、多数者の専制、学級王国・・・

いまの学校が抱える大問題を分析しながら
何ができるか、どこから変えていけるか、
哲学と実践を見事につなぐ画期的1冊。

横浜創英中学・高等学校長で麴町中の元校長でもある工藤先生と、哲学者で教育関係の番組や動画でよく見かける苫野さんの二人が対談形式で教育・哲学について語っているのを見る本です。

工藤先生は麴町中等での実践、苫野さんは哲学者としての理論があるので、その2つが組み合わさりながら「教育とは何か」「教育と民主主義」「教育の諸問題」を本質を探っていく、そういう内容でした。

対談形式なので話がすぐ変わってしまい深堀はしてくれないのですが、民主主義とは何か、哲学的な視点で教育を見る、麴町中で実践したことが書かれています。

著者紹介

工藤勇一(くどう・ゆういち)

横浜創英中学・高等学校長

1960年山形県鶴岡市生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長などを経て、2014年から千代田区立麹町中学校長。教育再生実行会議委員、内閣府 規制改革推進会議専門委員、経済産業省 産業構造審議会臨時委員など、公職を歴任。2020年3月まで千代田区立麹町中学校で校長を務め、宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止などの教育改革を実行。一連の改革には文部科学省が視察に訪れ、新聞各社・NHK・民放各局などがこぞって取り上げるなど話題となる。初の著書『学校の「当たり前」をやめた。生徒も教師も変わる!公立名門中学校長の改革』(時事通信社)は10万部を超えるベストセラーに。著書に『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』、『最新の脳研究でわかった! 自律する子の育て方』(以上SBクリエイティブ)、『学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか』 (鴻上尚史氏との共著/講談社現代新書)など。

教育業界で話題になった麴町中の改革を行った人。実践したという事実が凄い。

苫野一徳(とまのいっとく)

哲学者・教育学者。

1980年生まれ。熊本大学大学院教育学研究科准教授。博士(教育学)。早稲田大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程修了。専攻は哲学・教育学。経済産業省「産業構造審議会」委員、熊本市教育委員のほか、全国の多くの自治体・学校等のアドバイザーを歴任。著書に『学問としての教育学』(日本評論社)、『「自由」はいかに可能か』(NHK出版)、『どのような教育が「よい」教育か』(講談社選書メチエ)、『勉強するのは何のため?』(日本評論社)、『はじめての哲学的思考』(ちくまプリマ―新書)、『「学校」をつくり直す』(河出新書)、『教育の力』(講談社現代新書)、『子どもの頃から哲学者』(大和書房)など多数。

教育と哲学を調べようとすると必ず検索結果に表れてくる人。

本質を大切にしている話をよく聞きます。一度お話してみたい。

『子どもたちに民主主義を教えよう』を読もうと思ったきっかけ

Googleで「民主主義 教育」って調べたら出てきたので買いました。

民主主義を知らないのに民主主義社会を生きるのってどうのなのかな?

という課題が自分の中にあり、何とか解決できないかと調べてみたら見つけたのですぐ買いました。

教育をする大きな理由の一つは「国家にとって都合の良い人を作るため」だと思ってるんですけど、民主主義について詳しくないのに今の日本にとって良い国民を教育できるのかな?

って思いませんか?

あと、麹町中に関しては教師として知っとかないといけないかなと思ってたことと、哲学を大事にしてるのが僕個人の考えと一致したため有用かなと思ったのもあります。

この動画の4:40辺りでも語られてますが、「民主主義を教えるなら大人がまず民主主義を知らないといけないよね」という気持ちを解決したいと思い買いました。

ただ、「民主主義が大事だ」という思想的な部分の内容が多かったため、民主主義を学ぶためにちゃんと民主主義に関する本も読まなくちゃいけないと思いました。

『子どもたちに民主主義を教えよう』から学んだこと

最上位目標

「みんながOKと言える最上位目標」の重要だということを一番強く学びました。

「最上位目標を理解し合意する」
今日はここだけ覚えてください。

頭でも身体でも「目標が大事である」ことは重要だと分かってます。

最近、「目標を明確にしなかった」せいで対立が起きたのを見たばかりだったのでイヤって言うほど理解してはいます。

しかし、『子どもたちに民主主義を教えよう』を読んで最上位目標の設定が改めて大事だということを深く理解させられました。

最上位目標っていう言葉が分かりやすくて非常に好きです

やっぱ、そもそもの目的、最上位目標って大切ですよね。

最上位目標があれば、対立しても最上位目標を見ることで対立を解消したり第3案を考えたりすることができますもん。

そもそもの目標を共有してないせいで発生する対立が多すぎる。手段が目的になってるパターンも多すぎ。その通りすぎ。

対立の仕方が下手というか、対立すべきじゃないところで対立しちゃう人って結構多いんですよね。

このリンゴが赤色か青色かで揉めてるのを見ているような感じ。

左から見ている人は「リンゴは赤色だ!」って主張してて、右から見た人は「リンゴは青色だ!」って主張している。

左から見たら赤で右から見たら青だということを理解し、「どっちから見た方が適切か?」という話をするべき。

そもそも「リンゴは何のためにあるのか?色は重要なのか?」ということを共通理解として持ってないと議論以前の問題だよねってことを「最上位目標」という言葉で表しているのが凄いと思いました。

最上位目標って言葉を知らず、リンゴの例え話をよくしてましたもん私

デンマークの話

後、デンマーク王国の国民学校の目的規定は初めて知りました。

日本の教育基本法よりしっかりしてるように見えますね。

日本が使ってる「人格の完成」って言葉をより詳細に、心とかいう曖昧なものじゃなくしっかりとした言葉で表現したのがデンマークだなって印象です。

感想

結論は同じだが、結論に至るまでの過程が僕と全然違うのが面白かったです。

僕は教育学部を卒業しているのですが、教育学部に入る前は「教育学を学ぶ」というイメージと思ってたのに実際は「教授法を学ぶ」場所だった残念に思った記憶があります。その話をされていたのと、教育を考えるためには哲学的思考が必要になるということ、色んなことが「それな!それな!」と思うような内容でした。

ただ、ちょっと教員や他の人を小馬鹿にしてる表現があるように感じました。

自分の意見を主張するために他の人を下げてて、自分が正しいということを強く主張したいという気持ちが暴れてるような印象。それだけ今までの人生で嫌な思い・辛い思いをしてきたのかな。どうだろう。

あれ、俺も同じか?気を付けよう…。

とにかく、本質を考えることを忘れないようにしようと改めて思いました。

誰一人置き去りにしない」を大切に。

この本の本質は「多数決や独裁のような二流の手段を使わず対立した意見を解決する方法を考えること」だと思っていて、それはブリッジウォーターのレイ・ダリオ氏が『PRINCIPLES』で主張していたことと同じだと思いました。

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『子どもたちに民主主義を教えよう』では「対話を重要に考えること」「最上位目標を共有すること」が大事だと主張していますね。同意です。

ただ、それだけじゃ足りないと思うので、色んな知識や状況を理解して自分なりに補足していく必要があるのかなと思います。

しっかりと議論することは時間がかかると思われがちですが、長い目で見た場合、しっかり議論した方が最終的には衝突や摩擦が少なくなって時間の節約になるんだ、という意思を感じられました。

子どもたちに民主主義を教えよう

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